1月30日、テクノロジー業界の大手3社、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の3社が12月期の決算を発表しました。
堅調なヘッドライン数字、しかし株価の反応は鈍い
各社の業績は概ね堅調でした。マイクロソフトはアナリストのコンセンサス予想(2.76ドル)を上回る一株当たり2.93ドルの利益を報告し、アルファベットもコンセンサス予想(1.59ドル)を上回る1.64ドルのEPSを計上しました。AMDの利益は予想通りでしたが、売上見通しが期待を下回りました。
これらの報告にもかかわらず、1月31日の通常取引では、3銘柄とも下落しました。マイクロソフト株は2.7%下落、アルファベット株は7.5%下落、AMDは2.5%下落しました。この影響を受けハイテク株の多いナスダック総合株価指数は2.2%下落しています。
重要なのは数字ではなく、期待値
今回の決算報告で最も注目すべき点は、数字そのものではなく、期待値です。特に、AMDのAI半導体に関する見通しが注目されました。CEOのリサ・スー氏は、AMDのAIデータセンター向けMI300 GPU製品の売上高が2024年に35億ドルに達すると予想しています。これは、わずか3カ月前に示された20億ドルという予想から大幅に引き上げられたものです。しかし、ウォール街の中には更に高い80億ドルを予想するアナリストもいました。
長期的な確信が重要
投資家は、これらの日々の株価の動きに捉われないことが賢明かもしれません。より重要なのは、テクノロジー企業が将来のAI需要に対して持っている確信です。設備投資予算に関する最新のコメントを見る限り、堅調なトレンドは維持されているようです。
テクノロジー企業の設備投資は増加の傾向
マイクロソフトは、今四半期の設備投資が「大幅に増加する」と予想しており、アルファベットも2024年の設備投資が前年比で「顕著に大きくなる」と述べています。これらのコメントは、AI需要の増加に伴い、インフラ投資が後押しされていることを示しています。
AIの軍拡競争は続く
さらに、軍拡競争に例えられるAIの開発競争が続いていることを示す証拠もあります。スーパー・マイクロ・コンピュータ(SMCI)やエヌビディア(NVDA)などの企業からのポジティブなニュースもあり、AI半導体の需要は供給を上回っているとの報告があります。また、メタのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、同社が今年末までに大量のNvidia H100 GPUを保有する計画であることを明らかにしています。
「メタ・プラットフォームズのAI革命:90億ドルのエヌビディアGPU投資」
2月1日の発表に注目
2月1日には、メタ・プラットフォームズ(META)、アマゾン(AMZN)、アップル(APPL)の決算発表が予定されており、AIへの投資の傾向について更なる情報を得ることが期待できます。