IBM(IBM)は、100年以上にわたる歴史を持ち、今日でもハイテク業界の重鎮として君臨しています。かつてはハードウェア、特に象徴的なメインフレームでその名を馳せましたが、現在はソフトウェアとコンサルティングに焦点を移しています。IBMは、企業の複雑化する技術的課題に対処するため、コスト削減、生産性の向上、効率化を実現するソリューションを提供し続けています。
過去10年間、IBM株は長い低迷期を経験しましたが、その状況は変わりつつあります。
厳しい経済状況下でも売上を拡大
IBMは、顧客との長期的な関係を築き、その問題解決に貢献しています。特に、コンサルティング部門を通じて、IBMの製品や競合他社の製品を組み合わせたソリューションを構築しています。IBMのハイブリッド・クラウドとAIプラットフォームは、多くの場合、重要な役割を果たしています。また、アマゾン・ウェブ・サービスやマイクロソフトなどとの戦略的パートナーシップにより、IBMの提供範囲はより広がっています。
デジタルトランスフォーメーション・プロジェクトの需要は、明確なコスト削減や生産性向上を目指すものに集中しています。IBMのハイブリッド・クラウド・プラットフォームの核であるレッドハットのソフトウェアは、10億ドル規模の契約を達成しました。
AIによる大きなチャンス
IBMはAI分野に長年取り組んでおり、特に「ワトソン」は業界に革命をもたらしました。IBMは、watsonx AIプラットフォームを通じて、企業や組織が高度なAIモデルを訓練し、展開することを支援しています。これにより、データプライバシーや厳格な規制基準を遵守しながらAIソリューションを構築できます。
IBMのCode Assistant製品などにより、レガシー・メインフレーム・システム上のCOBOLコードをJavaコードに変換することで、プラットフォームからの移行なしにアプリケーションを近代化できます。生成AI市場は今後10年間で大幅に拡大すると予想されており、IBMはこの追い風を最大限に活用できるポジションにあります。
妥当なバリュエーション
IBMは急成長企業ではありませんが、安定した成長を遂げることが期待されます。2023年に約105億ドルのフリーキャッシュフローを生み出すと見込れており、同社の時価総額はその約14倍に相当します。株価はここ数年間での高値近くにあり、かつてほどの割安感はありませんが、同業他社の多くははるかに割高なバリュエーションで取引されています。最近成長に苦戦しているオラクル(ORCL)は、12ヵ月後のフリーキャッシュフローの29倍で取引されています。それに比べれば、IBM株は割安に見えます。業績の上昇と割安なバリュエーションの組み合わせが、今後数年間で株価を大きく上昇させる可能性を秘めています。
IBMの未来は、今まで以上に明るいものとなりそうです。技術的な変化と経済的な課題の中で、IBMはその独自の強みを活かして、新しい時代の先頭を走り続けることが期待できます。