2023年、マイクロソフト(MSFT)の株価は人工知能(AI)投資による熱狂の中で55%の大幅上昇を遂げ、11月には史上最高値を更新しました。この株価上昇の主な要因は、マイクロソフトがAI分野、特にOpenAIへの投資において重要なポジションを確立していることです。さらに、クラウドコンピューティングなどの高成長技術分野における市場シェアの拡大や、低金利を背景にしたマクロ経済環境の好転が、株価を押し上げる重要な要因となりました。
しかし、この強いパフォーマンスは2023年に限ったことではありません。オッペンハイマーのアナリスト、ティモシー・ホーラン氏は2024年の大型株トップピックとしてマイクロソフトを選定し、現在のレベルからさらなる10%以上の上昇余地があるとして410ドルの価格目標を設定しています。
ホーラン氏によれば、「マイクロソフトの短期および長期的な見通しに非常に楽観的」であるとのことです。オッペンハイマーは、新たな収益潜在力を持つ強固なビジネスモデルと資産を持つ企業を選定する戦略を掲げており、「マイクロソフトのクラウドとAIの提供は、このテーゼにぴったり合っている」とホーラン氏は述べています。
同氏は、マイクロソフトが2024年に過去最高の資本支出を行うと予想し、それが業界全体の収益を押し上げると予想しています。また、「マイクロソフトは最強の価格設定力を持っているため、彼らの投資に対するリターンは最も高いはずだ」と指摘しています。
AIはマイクロソフトの価値の大きな部分であり、特にOpenAIとのパートナーシップが重要です。ホーラン氏によると同氏がマイクロソフトの経営陣との会話から得た感触では、生成AIからの収益増はまだ先である一方、半導体供給の問題は競合他社よりも少なそうだということです。
「マイクロソフトは最高のAIインフラと大規模言語モデル(LLM)、そして改善が容易なアプリケーションを持っており、世界中のほぼすべての企業との関係を持っている。これらの企業はほとんどがAIをすぐに活用しようとしている」とホーラン氏は述べています。
さらに、約1年前から注目されていた高成長分野であるクラウドコンピューティング事業も、2024年に再成長すると予想されています。マイクロソフトのAzure製品に対する需要は強く、アマゾンのAWSに対してもシェアを伸ばし続けるとホーラン氏は付け加えています。
マイクロソフトの株式は今後も成長の可能性を秘めており、AIとクラウドの分野でのリーダーシップがそれを牽引することになると見られます。2024年においても、この超大型テック株の動向に注目することは重要です。
*過去記事 マイクロソフト MSFT