2023年は米国の大手テクノロジー株にとって輝かしい年となっています。テクノロジー・セレクト・セクターSPDRファンド（ティッカー：XLK）は年間で約48％の増加を記録しました。この急速な成長の背景には、AIの進展や大企業の市場シェア拡大があります。更に、低い長期金利がこれら企業の未来の利益を価値あるものに変えています。
大手テクノロジー株の継続的な保有の利点
多くの投資家がすでに大手テクノロジー株に大きく投資していますが、短期的な動きよりも長期的な視野を持つことが重要です。特に、AIの台頭やソフトウェア業界全体の成長の恩恵を受けるこれらの企業は、長期的な保有に適しています。
小規模テクノロジー企業のリスク
アルビオン・ファイナンシャル・グループの最高投資責任者、ジェイソン・ウェア氏によると、多くの小規模AI企業は10年後の存続が不透明です。対照的に、大型市場資本企業では興味深い投資機会が見られます。
セールスフォースの成長見通し
エバコアのソフトウェア・アナリストが先週、いくつかの大手ハイテク企業には利益成長と株価上昇の十分な可能性があると主張するメモを発表しましたが、その注目株のひとつがセールスフォース（CRM）です。
ファクトセットの調べのアナリストのコンセンサス予想で同社は、今年11％の売上成長を達成し、その後3年間は同様の成長を維持すると予想されています。その結果、2026年の売上高は470億ドル強となります。
同社は、顧客の既存ソフトウェアを補完する新製品を次々と投入し、企業が効率的に販売機会を狙えるよう支援しています。新商品の中にはAIベースのものもあり、特にセールスフォースが第2四半期に新規顧客を獲得した金融サービス分野では、このような新商品が間もなく登場する可能性があります。
エバコアのアナリストは、セールスフォースは「誰もが、AIの威力を示し、需要の面でちょっとしたドミノ効果を生み出すような、特定の垂直分野での “キラーAIアプリ “を待っている」と評価しています。
投資家にとって朗報は、株価が極端に割高でないことです。222ドルあまりの現在の株価は2026年の推定EPSの約15倍で取引されています。2025年までに成長見通しが大きく鈍化しなければ、株価はこのバリュエーションを維持するはずだと予想されています。
エバコアのアナリストは目標株価を275ドルとし24％の上昇余地ありと見ています。
インテュイットの中小企業市場における強み
また、インテュイット（INTU）にもエバコアは注目しています。この企業は、事業用のクイックブックス会計ソフトウェアや個人用のターボタックスを提供しています。
数百万の顧客を持つ中小企業向けの売上は、少なくとも今後2年間は年間16％成長すると見込まれています。米国内には3000万以上の中小企業が存在するため、多くの年月にわたって成長を続けることができます。これはインテュイットの最も成長が早いセグメントです。
この成長と他の一部製品の価格上昇の組み合わせにより、今後2年間にわたって総収入が年間2桁のパーセンテージで成長し、2025年までに190億ドルに達する可能性があります。
エバコアのアナリストは、次の数四半期で税申告書の提出者が減少する結果、弱い業績が現れるかもしれないが、「INTUが耐久性のある二桁のトップラインとボトムラインの成長を遂げる企業であると高い確信を持っている」と述べています。
エバコアの他の注目株
以上の2つの銘柄のほかにエバコアが挙げる注目株には、アドビ（ADBE）、オラクル（ORCL）、サービスナウ（NOW）、スノーフレイク（SNOW）などが含まれています。
投資の未来
長期的な成長とAIの進展を考慮すると、米国の大手テクノロジー株への投資は、今後も有望な戦略であり続けると思われます。大型株の安定性と小型株のリスクを比較し、賢明な選択をすることが投資の鍵となりそうです。