配当投資は多くの投資家にとって魅力的な選択肢ですが、すべての配当株が万人に適しているわけではありません。その例として、ベライゾン(VZ)が挙げられます。この記事では、ベライゾン株がなぜ一部の投資家にとって魅力的でありながら、他の投資家には適さないのかを詳しく解説します。
ベライゾンの高配当利回りとその安全性
ベライゾンはアメリカの主要な通信会社であり、ブロードバンドやインターネットサービスも提供しています。その配当利回りは7.4%と非常に高く、これが多くの投資家を惹きつけています。しかし、その高利回りは本当に安全なのでしょうか?
収益とフリーキャッシュフローから見る配当の持続可能性
収益の面から見ると、ベライゾンは第3四半期に1株当たり1.13ドル、過去1年間で4.96ドルを稼ぎ出し、その四半期配当0.665ドル、年間配当2.66ドルをカバーしています。フリーキャッシュフロー(FCF)では、第3四半期に59億ドル、過去1年間に134億ドルを生み出し、配当支払いに十分な余裕があることがわかります。
しかし、配当利回りだけが全てではない
ベライゾン株の長期的なパフォーマンス
トータルリターンを考慮すると、ベライゾン株は長期的に見るとあまり魅力的ではありません。過去5年間で約12.61ドルの配当を支払ったにも関わらず、株価は約60ドルから約35ドルへと大きく下落しています。これは長期的な成功の方程式とは言えません。
成長志向の若い投資家には適さない可能性
成長を求める若い投資家にとっては、配当利回りが高くても株価が下落しているベライゾン株は適していない可能性があります。配当利回りの高さに惹かれるかもしれませんが、総合的なリターンの観点からは、他の投資オプションを検討する価値があります。
安定したキャッシュフローを求める投資家にとっての選択
一方で、安定したキャッシュフローを必要とする退職後のライフスタイルや、キャッシュフローに依存している投資家にとっては、ベライゾンのような高配当株は魅力的かもしれません。ただし、元本の減少リスクを理解し、ポートフォリオ全体のバランスを考慮することが重要です。
結論
ベライゾンの配当は安全で魅力的に見えますが、株価の長期的な下落は多くの投資家にとって懸念材料です。投資の目的や投資期間、リスク許容度によって、ベライゾン株が適切かどうかは異なります。投資判断を下す際は、これらの要素を総合的に考慮することが重要です。
*過去記事 配当株