アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は10月31日の市場終了後に第3四半期決算を発表しました。第3四半期決算の業績は予想を上回りましたが、第4四半期の売上の見通しが予想を下回ったため、アフターマーケットで一時5%あまり下落しました。しかし、電話会議での経営陣のコメントにより株価は上昇、31日の通常取引の終値近くまで戻しています。
第3四半期決算の業績
- 第3四半期の調整後一株当たり利益は70セントでアナリストのコンセンサス予想の68セントを上回りました。
- 売上高は58億ドルで、こちらもアナリスト予想の57億ドルを上回っています。
- データセンター部門の売上高は前年同期比横ばいでしたが、クライアントPC事業の売上高は42%増加しました。ゲーム事業は8%減少しています。全体の売上高は前年同期比では4%増でした。
第4四半期の見通し
第4四半期についてAMDは、売上高が「約61億ドル、プラスマイナス3億ドル」になるとの見通しを示しました。アナリストは、第4四半期の売上高を64億ドルと予想していました。
経営陣の決算声明
CEOのリサ・スー氏は決算声明で以下のようにコメントしています。
当社のデータセンター事業は、EPYC CPUポートフォリオの強みと、ハイパースケール、エンタープライズ、AIの顧客との複数の導入をサポートするInstinct MI300アクセラレータの出荷の増加に基づき、著しい成長軌道に乗っている。
一方、ジャン・フー最高財務責任者(CFO)はリリースの中で、ゲーム・セグメントの売上と、いわゆる組み込み部門の需要悪化が今四半期の売上の足かせになると述べています。
AMDの組み込み部門には、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)チップ事業が含まれています。FPGAは、その後の機能変更に柔軟に対応できるため、ハードウェア開発製品の初期段階で使用されることが多くなっています。
リリースによると、AMDが非常に期待しているMI300アクセラレータは、第4四半期中の量産に向けて順調に進んでいるとのこと。データセンター向けグラフィックス・プロセッシング・ユニットであるMI300は、AIプロジェクトやAIアプリケーションに適していると期待されています。
電話会議での経営陣のコメント
投資家やアナリストとの電話会議でスー氏は、AMDはデータセンター向けGPU製品が第4四半期に約4億ドルの売上を上げ、2024年には20億ドルを突破すると予想していると述べました。
決算発表を受けてAMDの株価は31日のアフターマーケットで5%も下落していましたが、このCEOの発言により、下落幅が一挙に縮小しました。
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