オン・セミコンダクター(ON)は10月30日の市場が開く前に第3四半期決算を発表しましたが、第3四半期の収益と売上高はウォール街の予想を上回ったものの、第4四半期のガイダンスは予想を下回りました。自動車および産業用顧客からの需要が悪化していることを理由にあげたため、株価は30日の市場で20%近くも暴落しています。
第3四半期の業績:予想を上回る成果
オン・セミコンダクターは、第3四半期に売上高21億8000万ドル、1株当たり1.39ドルの利益を記録しました。ファクトセットが調査したアナリストの予想では、売上高は21.5億ドル、1株当たり1.34ドルの利益を予想していました。
第4四半期のガイダンス:市場の予想を下回る
第4四半期の業績見通しに関して、オン・セミは1株当たりの利益を1.13ドル〜1.27ドルと予想。これはファクトセットのコンセンサス予想である1.36ドルよりも低いものでした。売上高の予想も19億5000万ドル〜20億5000万ドルで、アナリスト予想の21億8000万ドルを下回りました。
株価の動向
この発表を受けオン・セミの株価は10月30日の市場で大きく下落。午後2時過ぎの段階で19.3%安の67.4ドルで取引されています。予想を下回るガイダンスの影響はライバル企業であるNXPセミコンダクター(NXPI)とアナログ・デバイセズ(ADI)の株価にも重荷となり、下落しています。
電気自動車(EV)市場の動向
オン・セミのガイダンスは、米国だけでなく世界中でEV販売が減速していることを投資家に警告するものとなっています。
フォード・モーター(F)とゼネラル・モーターズ(GM)が最近、景気とEV需要の減速を理由にEV生産への数百億ドルの投資を延期したことが、今回のガイダンスに影響を与えたと考えられています。
また、テスラ(TSLA)の株価は、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が高金利が需要に与える悪影響を理由に第3四半期の数字を発表した後、9.3%下落しました。
オン・セミのガイダンスは、EV市場の販売減速の兆候として解釈され、米国内外の自動車メーカーの動向が注目されています。
まとめ
オン・セミコンダクターの最新の業績発表は、市場の一部の予想を上回るものの、今後のガイダンスが懸念材料となっています。特にEV市場の動向に関連する情報は、半導体メーカーだけでなく、関連する多くの業界に影響を及ぼす可能性があります。今後の市場の動きに注目が集まる中、投資家は情報収集と適切な戦略の策定が求められます。