アーム・ホールディングス(ARM)の株価が最近2日間で9%近く上昇しています。これは、同社のマイクロプロセッサーを製造する企業が拡大することで、同社が勢いづくとの憶測に基づいています。
ArmベースのPCチップ市場の最新動向
現在、クアルコム(QCOM)のみが、Windows PC用のArmベースのプロセッサを製造するためのマイクロソフト(MSFT)のライセンスを取得していますが、その契約は来年に切れます。
ロイターが10月24日に報じたところでは、エヌビディア(NVDA)とアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)の両社がWindows PC向けのArmベースのプロセッサの開発を進めており、2025年に出荷を開始する可能性があるとのことです。PCプロセッサ市場は、インテル(INTC)とAMDのx86ベースのデザインが主流です。
両社はこの報道についてコメントしていませんが、情報源として2人の関係者が挙げられています。
また、エヌビディアはアームと20年間のライセンス契約を締結しており、エヌビディアによるアームの提案された買収が2022年に終了した後もこの契約は継続しています。AMDもアームの長期的なライセンシーですが、ArmベースのPCチップを製造しているわけではありません。
アナリストの見解
そんな中、ニューストリート・リサーチのアナリストであるピエール・フェラグ氏は、アームがPC市場での地位を築くのは「非常に困難」との見解を示しています。
今のところ、ノートPCやデスクトップPCにArmベースのプロセッサを採用することに成功しているのはアップル(AAPL)のみだと同氏は指摘していますが、エヌビディアがArmベースのPCプロセッサの製造に興味を持っているとの報道は「真剣に受け止めるべき」とも述べています。
「GPUとCPUの緊密な統合は、特にゲームや3DグラフィックデザインのノートPCにとって、強力な価値提案となる」と同氏は指摘しています。
ウェルス・ファーゴのアナリスト、アーロン・レイカーズ氏は、PCメーカーがAIコンピューティング機能にますます焦点を合わせる中、エヌビディアとAMDがArmベースのチップをターゲットにするのは理にかなっていると指摘しています。
この動きはインテルにとって「潜在的な懸念」となり得る一方、同社の将来の業績は主にファウンドリ事業の拡大によって左右されると述べています。
まとめ
ArmベースのPCチップ市場は、エヌビディアとAMDの新たな参入により、さらなる発展が期待される分野となっています。インテルやAMDのx86ベースのチップとの競争も激化する中、今後の市場の動きから目が離せません。