オッペンハイマーのアナリスト、リック・シェーファー氏によれば、半導体業界全体の需給はおおむね均衡しており、メモリー・チップを除く売上高は今年初めて月次ベースでプラスに転じそうだということです。その中でも、AI半導体は収益面で際立った存在になりそうだと同氏は述べています。
AIアクセラレーターを搭載したサーバーシステムへの支出は、今年に入ってから前年比で30%以上増加している一方で、アクセラレーターを搭載していないサーバーへの支出は20%減少しているとのこと。このことから投資家はAIに関連する半導体銘柄を選択すべきだと同氏はリサーチノートに書いています。
エヌビディア
同氏がトップAI半導体メーカーとして推奨しているのは、やはりエヌビディア(NVDA)です。
同社のグラフィック・プロセッシング・ユニット(GPU)は、AI分野の主力製品となっており、そのハードウェアとソフトウェアのプラットフォームを理由に、同社が「明確なリーダー」だと同氏は指摘しています。
シェーファー氏はエヌビディア株の格付けを「アウトパフォーム」とし、目標株価は650ドルとしています。10月11日現在で同社の株価は464ドル強で取引されており、40%の上昇が期待される目標株価となっています。
モノリシック・パワー・システムズ
同氏は他の半導体銘柄も推奨しており、そのひとつがモノリシック・パワー・システムズ(MPWR)です。
同社はエヌビディアのGPUに使用されている電力管理デバイスを販売しており、エヌビディアの業績と連動しています。ただ、モノリシックは、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などエヌビディアのライバル企業にも部品を提供しており、幅広い新しい機会を利用するために必要なツールを販売する企業として魅力的です。
シェーファー氏はモノリシックに「アウトパフォーム」の格付けと565ドルの目標株価を設定しており、499ドル強で取引されている株価に13%の上昇余地ありと見ています。
マーベルとブロードコム
マーベル・テクノロジー・グループ(MRVL)とブロードコム(AVGO)は、AIネットワーキング・チップの需要から恩恵を受ける企業として、しばしばペアで推奨されています。
シェーファー氏は、ネットワークは生成AIを可能にする構成要素のひとつであるとして、両銘柄を推奨しています。
同氏は両銘柄を「アウトパフォーム」と評価し、マーベルの目標株価を70ドル、ブロードコムの目標株価を990ドルに設定しています。現在の株価が55ドルあまりのマーベルは27%、862ドルのブロードコムは15%の上昇が見込まれる目標株価となっています。