ブロードコム(AVGO)とVMウェアの合併は、テクノロジー業界に革命をもたらし、半導体とソフトウェアのバランスの取れたビジネスモデルを築き上げます。企業向けソフトウェアビジネスの巨人としてその地位を築いてきたブロードコムに対する新たな投資のチャンスとなります。
ブロードコムとVMウェアの合併の影響
ブロードコムの半導体ビジネスは既に強力ですが、VMウェアとの合併が完成すれば、企業向けソフトウェアビジネスでも大きな影響力を持つことになります。VMウェアの直近12ヶ月間の売上高は136億ドルであり、これによりブロードコムのソフトウェア事業が大幅に強化されます。
ソフトウェア事業の強化
過去最大のソフトウェア企業の買収となる 700 億ドル規模の VMウェアの買収の前からブロードコムは大規模なソフトウェア事業を展開しています。総売上の約 20% に過ぎませんが、同社のソフトウェアは 2023 年度に 76 億ドルを売り上げる見込みです。
以前から企業向けソフトウェア企業を数多く買収しており、巨大な半導体設計・製造能力に加え、クラウド管理とセキュリティ・サービスのスイートを構築しています。
ブロケード(2017年買収):ネットワーク・ストレージ・ソフトウェア
CAテクノロジーズ T(2018年買収): クラウド自動化のためのIT管理ソフトウェア
シマンテック(2019年買収):企業向けセキュリティ・ソフトウェア
これにVMウェアが加われば、年間200億ドル以上の売上高を誇るソフトウェア事業が誕生し、半導体とソフトウェアがほぼ半々の巨大企業になります。
投資の価値
2023年だけでも、ブロードコムの株価は51%上昇しており、VMウェアとの合併がさらなる価値をもたらす可能性が高いと思われます。1桁台半ばの成長が予想されていますが、他のエンタープライズソフトウェア企業と比べても、ブロードコムは魅力的な評価で取引されています。
長期的な投資対象としてのブロードコム
ブロードコムの強化されたソフトウェアポートフォリオと、半導体とクラウドコンピューティングのバランスのとれたビジネスモデルは、長期的な投資対象として注目されています。
まとめ
ブロードコムとVMウェアの待望の合併は、2023年10月末までに完了する見込みで、中国の規制当局の最終的な承認を待っています。この統合により、ブロードコムは半導体中心のビジネスから、ハードウェアとソフトウェアのバランスの取れたビジネスへと変貌を遂げ、企業向けソフトウェアビジネスとしては最大級の企業になります。ブロードコムの株は、今、投資家にとって大きな魅力を持つものとなっています。