AIバブルの崩壊はある?エヌビディアとシスコ、未来の展望を深掘り!

今年目覚ましい株価の上昇を見せたAI関連株。その上昇ぶりのすさまじさにウォール街はAIバブルが弾けることを懸念しています。

中でも最も懸念されているのがAIブームの最大の勝者と言われるエヌビディア(NVDA)。2000年のドットコムバブルの後に暴落したシスコ・システムズ(CSCO)と同じ運命をたどる可能性があると、一部のアナリストは見ています。

ルーターなどのネットワーク・ハードウェア・メーカーであるシスコの株価は、2000年に記録した最高値をいまだに更新することができていません。

しかし、ニュー・ストリート・リサーチのアナリストであるピエール・フェラーグ氏は、エヌビディアを取り巻く状況は、シスコのインターネット・バブルの暴落の時とは異なると見ています。

同氏は10月2日、エヌビディア株の格付けを再度「買い」とし、目標株価635ドルを再確認しました。2日のエヌビディアの終値は434.99ドルとなっており、46%の上昇余地があるとフェラーグ氏は見ています。

エヌビディアに “シスコ・リスク “はあるのか?我々はそうは思わない。エヌビディアは “バブル的評価 “で取引されておらず、株価の下振れリスクはより限定的だ。

と語る同氏は、ドットコムバブルの際、シスコの売上が15倍上昇し、株価は1年後の予想利益の121倍、将来売上の22倍にまで上昇したのと比べ、エヌビディアの売上高は約7倍上昇し、株価は将来利益の27倍、売上高の14倍の評価になっているのに過ぎないと言っています。

フェラーグ氏は、2025年のエヌビディアの売上高がウォール街の期待を下回った場合、その株価は約20%下落すると考えています。

同氏は利益に対する予想が33%減少すると仮定しており、その結果、企業の価値(バリュエーション)は大幅に減少するだろうと予測しています。

具体的には、投資家が前回の決算で大きく失望した際に記録された、将来利益の30倍という低いレベルまで下がる可能性があると予想しています。

現在のバリュエーションは、2024年以降に減速する可能性を織り込んだものとなっており、2025年への懸念が後退すれば、株価は大きく上昇する可能性があると同氏は考えています。

エヌビディアはAIプロジェクトに使われる半導体の市場を独占しており、シスコとの比較は、AIにおけるエヌビディアの強力な技術リーダーシップを過小評価するものだとフェラーグ氏は指摘ています。

エヌビディアが提供するのは、インターネットデータの単純なルーターではなく、ハードウェアとソフトウェアのコンポーネントを備えた、より高度な多層インフラです。

新興企業や企業がエヌビディアの半導体を好むのは、その強固なソフトウェア・プログラミング・エコシステムであるCUDAがあるからです。

開発者たちは10年以上にわたって、エヌビディア独自のプラットフォーム上でAI関連のツールやソフトウェア・ライブラリを構築・共有しており、AIアプリケーションの迅速な構築が容易になっています。

そして、AIインフラへのシフトは始まったばかりかもしれません。今年初め、BofA グローバル・リサーチは、テクノロジー業界はAIへの支出シフトの初期段階にあり、AIプロジェクトに適した半導体を搭載したクラウドサーバーはまだ10%に過ぎないと述べています。

シスコがネットワーク・ハードウェアで獲得した成長の機会より、エヌビディアがAI半導体の性能とAIソフトウェアの能力の向上で得る成長の機会の方がはるかに大きいと言えそうで、同社が伸びる余地はまだまだありそうです。

*過去記事はこちら  エヌビディアNVDA

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