ウォール街がメタ・プラットフォームズ(META)の第2四半期決算を賞賛。その結果、同社の株価は7月27日に急騰しました。フェイスブックとインスタグラムを所有する同社は、短編動画の成長、強力な広告トレンド、そしてAIの存在感の高まりなどが高く評価されています。
第2四半期決算:アナリストが注目したポイント
メタの株価は26日の夕方に発表された予想外の好決算を受けて7%近く上昇。アナリスト達は特に短編動画フォーマット「リール」の急成長に注目しています。メタは決算報告で、動画の再生回数が1日2000億回を超えていると述べました。
米国みずほ証券のアナリストであるジェームス・リー氏は、「リールの収益化は進行中で、全広告主の75%が新しい広告ユニットを採用している」とし「AIを活用したフィード内のコンテンツランキングは、利用時間の増加を促している」と述べています。
リー氏はさらに、リールがTikTokから市場シェアを奪う傾向にあり、これがメタにとって大きな懸念であった競争上の脅威を制限していると述べました。リー氏はメタの目標株価を350ドルから400ドルに引き上げ、2025年に達成すると予想される一株当たりの利払い・税引き・減価償却前利益(EBITDA)の11倍で評価しています。
AIの存在感
人工知能(AI)は、新しいAI言語モデル「Llama 2」の商用化を受けて、メタのさらなる成功要因となっています。
J.P. モルガンのアナリスト、ダグ・アンマス氏は、「メタはAIによって生成されたコンテンツがエンゲージメントを増加させるため、過去数年間のAI投資が実を結んでいる。AIの後押しもあり、ここ最近で最も強力な製品プラットフォームを有している」と述べています。
アンマス氏はメタの目標株価を305ドルから425ドルに引き上げ、目標期間を12ヶ月前倒しして2024年末までとしました。新しい目標価格はメタの2025年の一株当たり予想利益の18倍の評価に基づいています。
アナリストの懸念
アナリストたちが唯一懸念を示したのは、メタの継続的な投資計画についてです。メタは、一連の人員削減の後、技術的な役割に雇用をシフトするとともに、2024年の減価償却費と給与経費の増加、そして今年の「リアリティ・ラボ」部門の営業損失の増加を指摘しています。
ベンチマークのアナリスト、マーク・ズグトビッチ氏は、「2024年の厳しい競争とともに、経費の増加は、ピーク時(2021年)の水準からの株価上昇を制限するだろう」と述べています。同氏はメタ株の格付けを「ホールド」に据え置き、目標株価は設定していません。
まとめ
メタ・プラットフォームズの第2四半期決算は、市場とアナリストを驚かせ、株価は急騰しました。短編動画「リール」の成長、強固な広告トレンド、そしてAIの存在感の増大が、その理由として挙げられます。しかしながら、メタの継続的な投資計画に対する一部の懸念も存在しています。これらの動向がメタ株の将来的なパフォーマンスにどのように影響を与えるか、引き続き注目が集まります。
*過去記事 メタ・プラットフォームズ