ウォール・ストリート・ジャーナル紙が7月4日、事情に詳しい関係者の話として報じたところによると、米国が中国企業のクラウドコンピューティング・サービスへのアクセスを制限する可能性があるとのことです。
米国のクラウド制限計画
ワシントンは、AIモデルを訓練するためにクラウド・プロバイダーを使用している中国企業に対して、サービス提供前に政府の許可を求めることを考慮しています。これにより、クラウドコンピューティングの利用に制限が加えられる可能性が出てきました。
世界のクラウドサービスリーダー
マイクロソフト・アジュールとアマゾン・ウェブ・サービスは、企業向けのインターネット・コンピューティング提供ビジネスで世界をリードしています。これらの企業は、中国ではアリババ・グループ・ホールディング・リミテッドなどと競争し、国営データセンター・パートナーを通じてサービスを展開しています。
バイデン政権の中国へのAIチップ販売制限
バイデン政権は、昨年10月に発表された輸出規制を強化し、中国への人工知能チップの販売を制限する計画を持っています。さらに、中国のAI開発者のクラウドアクセスを制限することも検討されています。
7月に予定されている商務省の提案では、米国は輸出規制を改定し、一部のチップを無許可で中国に販売することを難しくする動きを見せています。この制限は、米国企業であるエヌビディア(NVDA)が制作したA800チップに対しても影響を及ぼす可能性があります。
米中の技術的対立のエスカレート
これらの政策変更は、米国と中国の間で技術的対立がエスカレートする一因となり得ます。7月3日には、中国政府がチップ、電気自動車、防衛産業にとって重要な金属の輸出を規制する動きを見せており、これは、アメリカ、日本、ヨーロッパが中国を先端技術から排除しようとする動きに対する報復策と見られます。
今回の報道は、これまでの米中関係を考えると、驚くべきものではありませんが、これが今後、両国間の技術的対立をさらに激化させる可能性があります。