アマゾンのプライム会員登録・退会手続きは公正?米FTCがアマゾンを提訴

米連邦取引委員会(FTC)は、6月21日、アマゾン・ドット・コム(AMZN)に対して、そのプライム会員制度の運営方法に問題があるとして訴訟を起こしました。

FTCからアマゾンへの提訴

FTCの主張によれば、アマゾンはダークパターンと呼ばれるユーザー・インターフェース・デザインを使用し、一部の顧客を欺いてプライム会員に自動更新で登録させたとされています。さらに、これに加えて、アマゾンはプライム会員が退会しようとする際の解約手続きを故意に複雑にしていたとも指摘されています。

会員解約の困難性

アマゾンのプライム会員制度は、年間または月間の料金を支払うことで、商品の迅速な配送やデジタルコンテンツへのアクセスなど、さまざまな特典を享受できるものです。しかし、FTCは、アマゾンはこれらの会員が退会しようとする際に、手続きを故意に難しくすることで、実質的に解約を阻止していたと主張しています。

ダークパターンとは?

ここで一つ注目したいのが、「ダークパターン」についてです。ダークパターンとは、操作的、強制的、または欺瞞的なユーザー・インターフェース・デザインのことを指します。これにより、ユーザーが意図しない行動をとらされる、あるいは自分が何を選んでいるのか理解しづらい状況が生まれることがあります。アマゾンは、このような手法を使ってプライム会員の加入を促し、解約を困難にしていたとFTCは主張しています。

アマゾンとFTCの関係性

この訴訟は、FTCがオンライン小売業とクラウドコンピューティング企業に対して行ってきた一連の行動の一部です。特にFTCのリナ・カーン委員長は、2017年のイェール大学ロー・レビューの論文において、アマゾンの規制が不十分であり、より厳しく監視されるべきであると主張するなど、そのキャリアを通じてアマゾンに対して厳しい監視を提唱してきた経緯があり、その規模と影響力がインターネット経済におけるリスクを生んでいるとの見解を示しています。

今後の展開

ニュー・ストリート・リサーチの技術政策アナリスト、マシュー・ペロー氏は、今回の訴訟はカーン氏がアマゾンに対して行動を起こすと以前から予想されていたことであると述べています。また、FTCは現在、アマゾンが計画しているiRobotの買収を審査中であり、この買収を阻止するために再度提訴する可能性もあると言われています。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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