オープンAIがAI業界で注目を浴びていますが、それだけが全てではありません。各分野で革新的なアプローチを採用する新進のスタートアップたちが、そのスポットライトを分け合いつつあります。ここでは、シリコンバレーから世界へと波を広げる7つのAIスタートアップをご紹介します。
Inflection AIとその画期的なチャットボット「Pi」
最初に挙げるのは、リンクトインの共同創業者リード・ホフマン氏とグーグル・ディープマインドの共同創業者ムスタファ・スレイマン氏によって設立されたInflection AIです。
カリフォルニア州パロアルトにある同社は、生成AI技術を用いたチャットボット「Pi」をリリースし、ユーザーとの対話を通じて新たなAIの可能性を探っています。特筆すべきは、「境界線トレーニング」という概念で、これは技術が行動ポリシーを違反しないようにするためのものです。
Imagene AI：生命を救う精密腫瘍学のリーダー
次に紹介するのは、イスラエルに拠点を置くImagene AIです。AIによる精密腫瘍学の分野でリーダーとして頭角を現しています。同社のAIにより、肺がん患者の早期検出と治療が可能になり、少なくとも一人の命が救われています。
SafelyYou：シニアのためのAI
サンフランシスコを拠点にするSafelyYouは、30以上の州のシニアセンターで高齢者の転倒を検出し、分析するAIシステムを提供しています。同社はAIを高齢者の安全を守る手段として捉え、プライバシーを尊重しています。
「アルツハイマー病患者の入院原因の第1位は転倒です」と、SafelyYouのCEOであるGeorge Netscher氏は述べています。
DeepL：AI翻訳技術のリーダー
創業6年のドイツの会社DeepLは、自社製のAI翻訳技術を利用できる高度なサブスクリプション型サービスで、多国籍企業の業務用や、大学の研究・学習用として利用されることが多いようです。AIの活用は今や主流となりつつありますが、翻訳はその最初の使用例の一つでした。
今年初め、同社は1億ドル以上の資金を調達したと報じられています。
アブサイ（ABSI）：薬物発見プロセスを加速
昨年上場したワシントン州バンクーバーを本拠とするアブサイは、生成AIを使用した薬物研究企業で、薬物発見プロセスを大幅に短縮する能力を持っています。その技術は、メディカルパートナーと顧客の間で広く評価されています。
タンパク質の組み合わせを医学的に評価する同社の技術は、セントジョンズがん研究所やオックスフォード大学のケネディリウマチ研究所と提携しているほか、メルク（MERK）などの顧客と提携しています。
Aligned AI：内容フィルタリング技術の進化
英国オックスフォードに拠点を置くAligned AIは、オープンAIを上回ると主張するコンテンツモデレーション技術を開発しています。同社のモデルは、GoogleのJigsaw部門が作成したコンテンツフィルタリングチャレンジで高いパフォーマンスを発揮しました。
オープンAIのGPTを搭載したコンテンツモデレーションは、問題のあるチャットボットの応答の約32%しか正確にフィルタリングできなかったのに対し、Aligned AIのものは97%を発見したそうです。
Bright Machines：製造業の自動化とスケーラビリティ
最後に挙げるのはBright Machinesです。サンフランシスコに本拠を置く同社は製造業者と協力し、生産ラインに柔軟性とスケーラビリティをもたらしています。これにより、製造業者はさまざまな電子部品を同一の組立ラインで生産することが可能となりました。
AIは、未来を形成するためのツールです。これらのスタートアップはその潜在能力を最大限に引き出そうとしています。