人工知能(AI)は、我々の未来の経済を根本的に変える可能性を秘めています。この革新的なテクノロジーは、既存の産業を破壊し、新たなビジネスチャンスを生み出す力を持っています。特にAI関連企業への投資は、競争力を維持するために不可欠で、これがAI製品・サービス市場の急速な拡大を引き起こしています。統計分析会社Statistaによれば、AI市場は10年後には1兆8,000億ドル規模にまで成長すると予測されています。
この記事では、人工知能(AI)の発展に伴い巨大な成長機会を掴む可能性がある半導体メーカー、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)に注目します。
AI市場でのピックとシャベルの供給者
AIのゴールドラッシュが進行する中、AMDはAI技術を活用するために必要なツールを提供する企業として重要な位置を占めています。そのプロセッサは、AIを動作させるコンピューティングシステムの源としての役割を果たしており、その需要は急増しています。
チップメーカーの競争:AMD vs NVIDIA
同じチップメーカーであるエヌビディア(NVDA)は、AI技術の実力で大きな注目を集めており、同社の株価は、2023年に入ってから165%以上上昇しています。しかし、この活況を呈する市場でAMDもまた一定のシェアを獲得する立場にあります。CEOのリサ・スー氏は、AIへの取り組みを重視し、エヌビディアから市場シェアを奪い取る可能性のある製品を次々と発表しています。
未来を切り開く新製品:MI300チップ
AMDが近々発表するMI300チップは、AMDをAI分野での強力なプレイヤーにする可能性があります。MI300は、中央演算処理装置(CPU)とグラフィック処理装置(GPU)コアと高速メモリを1つのチップ・パッケージに統合したもので、高性能設計により、AIモデルの学習と運用にかかる時間を大幅に短縮します。これが新型チップへの大きな需要を生む要因になると期待されています。
AMDの製品:幅広い利用者に対する解決策
AMDはその製品の幅広さにより、多くの技術者と強固な関係を築いています。アマゾン、マイクロソフト、アルファベット、オラクルは、全てがクラウドコンピューティングの業務にAMDのチップを使用しています。クラウドへの移行が加速する今、これらの大手企業との関係はAMDの製品に対する需要をさらに増加させるものと思われます。
また、AMDは主要なゲーム機、XboxシリーズX|Sやプレイステーション5などにカスタムプロセッサーを提供しており、ゲーム業界の成長からも利益を得ることが可能です。
マイクロソフトとの強力な提携
マイクロソフトがAMDと共同でAIプロセッサの開発を推進していることも注目に値します。同社は、拡大するAI事業のために十分なチップを確保するとともに、エヌビディアの競争相手になる強力なチップメーカーが出現することを望んでいます。
AMD株の魅力:買いのタイミングか?
AMDの株は、2024年の予測利益の約30倍で取得できます。この価格は、来年、1株当たりの利益が44%増加すると予想されるトップクラスのハイテク企業の株として十分に魅力的です。将来利益の50倍以上で取引されているエヌビディアの現在の株価と比較しても、AMDの株価はかなり割安となっており、投資家にとっては魅力的な買いの機会となっています。
以上の要素を踏まえると、AI市場の拡大に伴い、AMDはその位置をさらに強化する可能性があります。この機会を逃さないためにも、AMDの動向に目を光らせておくことが重要です。
*過去記事はこちら「AMD」