人工知能(AI)への強い関心が、テクノロジー株を押し上げています。マーベルテクノロジー(MRVL)は、AIを長期的な成長の原動力と見なしていることから、エヌビディア(NVDA)に続くこの分野での有望銘柄として株価が急騰しています。
5月26日の市場でマーベルの株価は32.42%上昇し、65.51ドルとなりました。25日に行われた第1四半期の決算発表では、業績はアナリストの予想を微妙に上回った程度でしたが、同社が示したAIの見通しに市場は強く反応しました。
ドイツ銀行のアナリストは26日付けのリサーチノートで、「最近の循環的な逆風にもかかわらず、MRVLは、幅広い製品/エンドマーケット(AIを含む)で有意義な持続的な成長の可能性を示している数少ない半導体企業の一つだ」と述べています。
同アナリストは、マーベルの目標価格を50ドルから65ドルに上げ、「買い」の格付けを維持することを明らかにしました。
AIバブルに懐疑的な人々にとっても、マーベルはすでにこの技術から利益を得ている企業として一目を置かざるを得ない存在です。データセンター向けのネットワークチップを製造する同社は、直近の会計年度における59億2000万ドルの総収入の中で、AI収入が2億ドルを占めたと発表しました。
さらに、マーベルはAI関連売上が今年度では約4億ドル(前年度の2倍)、来年度には8億ドルに達すると予想しています。
CEOのマット・マーフィー氏は、AI開発のスピードが急速なため、関連インフラを18~24カ月ごとに更新する必要があると述べています。これは、これまで標準的なデータセンターでは更新に4年以上かかるといわれたことと比べると大きな違いです。
一方、キーバンクのアナリストは26日付けのリサーチノートで、「生成AIに対する需要の高まりが、MRVLのネットワーク接続製品とクラウド向けの最適化されたシリコンプラットフォームの推進力になっている」と述べています。
キーバンクは、マーベルの目標株価を60ドルから70ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の格付けを維持しています。
*過去記事「マーベル 株価は大きく下落してもアナリストは強気」