AIがビジネスを変革するという約束が、遠い未来の話ではなく現実となりつつあります。その中心にあるのが、エヌビディア (NVDA) と サービスナウ (NOW) の最新の提携です。両社は、企業内ITシステムの自動化において、生成AIの可能性を探求しています。
エヌビディアとサービスナウのパートナーシップ
5月17日に行われた記者会見で、エヌビディアのIT向けAI部門の副社長、Rama Akkiraju氏は、ワークフローソフトウェア企業サービスナウとの新たなパートナーシップについて詳しく説明しました。「この提携は、企業の主要な機能のために、特定の領域に特化した生成AIモデルを開発することを目指しています」と同氏は述べました。
生成AIの可能性
エヌビディアの半導体は今年のトレンドである生成AI用に多く使われています。生成AIは、テキスト、画像、動画を総当たり方式で取り込み、新たなコンテンツを生成するという技術です。オープンAI の ChatGPT のリリースにより、この形式のAIへの関心が急速に高まりました。
ChatGPTのようなチャットボットは、言語モデルを使用して、インターネットや他の形式のテキストから過去に書かれたものを収集することによって見つかった単語の関係に基づいて、人間のような応答、またはその最良の推測を生成するものです。
エンタープライズへのAIの拡大
Akkiraju氏によれば、エヌビディアとサービスナウは、大規模なカスタム言語モデルを開発し、AI機能をIT部門、顧客サービス、人事など、企業全体の新たな用途に拡大していく予定です。同氏は、「これらの用途に生成AIを適用し、さらに自動化を進める大きな機会を見いだしています」と語りました。
AIチャットボットの利点
AIチャットボットは、企業内のナレッジドキュメントを学習し、人事やITに関する問題をより効率的に解決する可能性があります。これにより、現在1コールあたり平均7~8分かかっているカスタマーサービスチケットの要約やデータ入力も自動化され、エージェントは時間を節約し、より複雑な問題に対処することができます。
生成AIと企業のワークフロー
生成AI技術は、繰り返し行われる人事の依頼やカスタマーサービス業務の自動化に適しています。一般的なチャットボットと異なり、従業員からの質問は限られており、その答えやプロセスは確認済みです。これは、企業特有の問題を解決するために特化したAIモデルが効果的に動作する可能性が高いことを示しています。
エヌビディアとサービスナウの技術統合
サービスナウのプラットフォームは、エヌビディアのAIソフトウェアとツール、そしてエヌビディアのDGXハードウェアインフラストラクチャを、クラウドとオンプレミスのシステムで活用する予定です。この組み合わせにより、ITシステムの自動化がさらに効果的に進むことが期待されます。
まとめ
生成AIの力を活用することで、エヌビディアとサービスナウは企業のITシステムの自動化を進化させることを目指しています。この動きは、AIがビジネスに直接的な利益をもたらすという約束が、遠い未来の空想ではなく現実化しつつあることを示しています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA