2023年は、成長株投資家にとってこれまでのところ素晴らしい年であり、特に半導体業界のトップ企業のひとつであるエヌビディア（NVDA）は前年の損失を見事に取り戻し、注目を集めています。
しかし、エヌビディアの現在の株価は、史上最高値の333ドルからは15％下落しており、一部の投資家は赤字に悩んでいます。この記事では、エヌビディアの本格的な回復にはまだ時間がかかる理由を解説し、その将来性を詳しく検証します。
エヌビディア株価下落の背後にあるマクロ経済的課題
エヌビディアの株価は、2022年に直面したマクロ経済的課題が影響しています。特に、第4四半期の売上は、ゲーム分野の低迷により21％減の60億5000万ドルとなりました。消費者向けグラフィックカードの需要は循環的で、インフレがゲーマーの購買力を低下させています。さらに、同社のゲーム用チップは暗号通貨のマイニングにも使用され、市場の低迷時にGPUの余剰が生じました。
技術革新で市場をリードするエヌビディア
一方で、エヌビディアはディスクリートGPU市場で圧倒的なシェアを維持し、技術革新によりリードを保っています。2022年後半には、RTX 40シリーズのグラフィックスカードをリリースし、性能と効率が大幅に向上しました。
さらに、人工知能（AI）が大きな話題となり、エヌビディアはその市場拡大に取り組んでいます。Statistaのデータによれば、1000億ドルのAI市場は10年後に20倍の20兆ドル近くに急増する可能性があります。同社は機械学習に使用できる高度なGPU市場を独占し、ニュー・ストリート・リサーチによると、その市場シェアは95%に達しています。オープンAIのChatGPTモデルのトレーニングでは、約1万個のエヌビディアのA100チッップが使用されました。
データセンター事業でAI技術を活用
さらに、エヌビディアはデータセンター事業でAI技術を活用し、企業クライアントに大量の情報を提供します。同社はAIスーパーコンピュータ「DGX Cloud」を開発し、GPUを自ら購入・運用することなく、企業が高度なアプリケーションを構築できるようインフラを提供しています。
エヌビディアの将来性と投資家の見解
エヌビディアの将来PER倍率は60倍であり、多くの成功がすでに織り込まれているため、まだ保有していない投資家は出遅れた感じがするかもしれません。しかし、同社のような先進的な企業への投資は、支払った金額に見合うリターンが得られる可能性が高いものです。エヌビディアの強固な経済的堀は、長期的に持続的な成長と利益をもたらす可能性があります。
結論：エヌビディアの長期的な成長を見据える
エヌビディアの株価は一時的な下落を経験していますが、同社の技術革新、ディスクリートGPU市場でのリーダーシップ、AI市場での高いシェア率など、強力な経済的堀が長期的な成長を支えます。投資家は、先進的な産業におけるエヌビディアの地位と将来の成長機会を考慮することが重要です。
エヌビディアのポテンシャルを十分に理解し、将来の市場状況と技術進歩を見据えることが、投資家にとって重要なポイントとなります。長期的な視点で見ると、エヌビディアは半導体業界でのリーダーシップを維持し、AI市場でのシェア拡大を実現することが期待されています。この先進的な企業への投資が、将来的には大きなリターンをもたらす可能性があることを考えると、エヌビディアの今後の動向から目を離すことができません。
＊過去記事はこちら エヌビディアNVDA