マイクロソフト(MSFT)の3月期決算発表前日である4月24日に、BNPパリバ・エクサンのロンドン拠点のソフトウェア・アナリスト、ステファン・スロウィンスキー氏が、同社の格付けを「アウトパフォーム」から「ニュートラル」に引き下げました。
スロウィンスキー氏は、今年に入ってからアクセンチュア(ACN)やCDW(CDW)、インフォシス(INFY)などの企業のIT需要に関して、ネガティブデータが増えているという慎重なコメントを出しています。「状況は厳しくなっており、そのことはマイクロソフトに対する見込みも下げる必要があることを意味する」と同氏は述べています。
株価は今年20%近く上昇し、マイクロソフトの株価は、1株当たり予想収益の10倍という高水準で取引されていますが、同社のビジネスの中で個人消費から来る30%の需要が弱まり続けていると同氏は指摘しています。さらに、残りの70%である商業用ビジネスも弱まり始めていると懸念しており、Office Consumerの売上の伸びがマイナスに転じる可能性があると見ています。
さらに、LinkedInの業績予想が高すぎるとし、マイクロソフトのパブリッククラウド事業であるアジュールについても、リスクがあると述べています。スロウィンスキー氏は、機関投資家がアジュールの成長を正確に予測することが困難であることを懸念しており、「投資家は、マイクロソフトでさえビジネスを把握できていないのではないかと心配している」と言っています。
スロウィンスキー氏は、中小規模の顧客に対するエクスポージャーが低く、企業向け支出へのエクスポージャーが高いソフトウェア銘柄を推奨しており、セールスフォース・ドットコム(CRM)、オラクル(ORCL)、SAP(SAP)を引き続き推奨しています。同氏は、マイクロソフトが機関投資家に過大に評価されている一方で、これら3銘柄は過小に評価されているままだと言っています。
アナリストのコンセンサス予想では、3月期の売上は510億ドル(3.4%増)、利益は1株当たり2.24ドルとされています。マイクロソフトの決算発表は、25日の引け後に予定されています。
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