第1四半期決算の発表を控えた今週、ウォール街ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)という3社のクラウドコンピューティングの見通しについて議論が広がっています。
UBSのアナリストのKarl Keirstead氏は4月10日付けのリサーチノートで、企業の顧客や販売パートナーを調査した結果、2023年のクラウド支出の成長予測が依然として高すぎることを確信したと述べています。
主要プレーヤーのアマゾン・ウェブ・サービス、マイクロソフト・アジュール、アルファベット・グーグル・クラウドは最近成長が鈍化していますが、これは顧客の支出の「最適化」が反映されていると言われています。Keirstead氏は、最適化への取り組みが深く、長期化すると予想しています。
また、クラウド市場がより成熟した段階に入ったと考えており、多くの企業がすでに「クラウド・ジャーニーを進めている」と述べています。3大クラウドベンダーは3月期に20%の成長率を見込んでいますが、今後の成長率は構造的に低くなると同氏は見ています。
Keirstead氏は、人工知能のトレンドが消費を大きく押し上げる可能性があることを認めつつ、企業の採用はデータプライバシーや信頼性への懸念によって抑制されており、今年のクラウド需要の伸びはわずかなものになる可能性があると付け加えています。
一方、モルガン・スタンレーのアナリスト、メタ・マーシャル氏とその同僚は12日に発表した調査報告書で、「グラスは半分しか満たされていない」という見方を示しています。
マーシャル氏のレポートでは、最適化の傾向が認められるものの、長期的には全体のビジネスチャンスを約30%拡大すると主張しています。モルガン・スタンレーは、クラウドコンピューティングのビジネスチャンスを18兆ドルと見積もり、最適化が行われる前に比べて4兆ドル以上高いと予想しています。
同社の調査対象となったITエグゼクティブの63%は、最適化プロセスに少なくとも10ヶ月かかると回答し、44%が最適化を開始したところだと答えています。ただし、その後の支出見通しはUSBのものとは異なります。
モルガン・スタンレーは調査の結果、今後3年間でIT予算の最も大きなシェアを獲得するのは、マイクロソフト、アマゾン、グーグルの順であることがわかったと述べています。
また、SAP(SAP)、スノーフレーク(SNOW)、シスコ・システムズ(CSCO)、パロアルトネットワークス(PANW)などの関連サービス提供企業にも勝機があると見ています。
しかし、その一方で、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)、IBM(IBM)のRed Hatユニット、オラクル(ORCL)などのオンプレミスデータセンターをサービスする企業がシェアを失う可能性が高いとマーシャル氏は付け加えています。
同氏はまた、AIがクラウド消費の重要なドライバーであり、今後3年間でAIのクラウド支出割合が3%から9%に増加すると予想しています。AIソフトウェアに強みを持つマイクロソフトとアルファベットがこのトレンドの最大の勝者となると同氏は主張しています。
同氏は調査で最大の驚きは、最適化の前後で最終状態でのクラウドの採用率がどれだけ高くなるかだったと述べています。顧客は現在、ワークロードの57%が最終的にクラウドに移行すると予想しており、最適化前の45%から上昇していることがわかったと書いています。
マーシャル氏の同僚であるSanjit Singh氏は、データベースソフトウェアプロバイダーのモンゴDB(MDB) とデータストリーミングサービスプロバイダーのコンフルエント(CFLT)の格付けを「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に引き上げました。2024年にはクラウドの成長が再加速する見込みであることから、モンゴDBには、市場シェアを獲得し、収益性を高めるチャンスがあると評価しています。
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