米国に拠点を置く空売り会社ヒンデンブルグ・リサーチが、ブロック(SQ)が提供する決済アプリ、キャッシュアップがユーザー指標を膨らませ、プラットフォーム上での不適切な活動を抑制していないと主張して以降、ブロックの株価はこの1週間で15%以上下落しました。
ヒンデンブルグの主張の根拠となっているのは、ブロックの元従業員の話です。この元従業員がレビューしたアカウントの40%から75%が偽物であったり、詐欺に関連したもので、同一人物が複数のアカウントを持っていたものもあったそうです。
ブロック社はこうした主張は不正確で、ヒンデンブルグに対して法的措置を検討するとしていますが、米国みずほ証券がこのほど独自に行なった調査の結果を明らかにしています。
キャッシュアプリとキャッシュカードのユーザー数百人を対象とした調査の結果から試算すると、キャッシュアプリの月間アクティブユーザー数は、少なくとも3,500万~4,000万人と推定されるそうで、これは同社が発表したアクティブユーザー数の70~75%にあたるとのことです。
「本物の月間アクティブユーザー数は、経営陣が公表した5100万人にはかなり近いと思われるが、これはブロックの経営陣による定量的な説明によってのみ証明できる」とこの調査を行なったDan Dolev氏は書いています。
Dolev氏はブロックに対する「買い」の格付けを維持しましたが、目標株価は93ドルから85ドルに引き下げました。ヒンデンブルグの主張の真偽はともかく、リスクが高まっていることを考慮して引き下げたということですが、それでも64.4ドルの現在の株価から32%の上昇の余地があること示すものとなっています。
*過去記事はこちら ブロック SQ