アマゾン 株価の下落が従業員の報酬を直撃

アマゾン(AMZN)の株価はここ1年で35%あまりの減と急落していますが、このことによって同社の株式を多用した報酬プランの目論見が崩れ、従業員の給与が目標報酬を大幅に下回っているそうです。

アマゾンは年俸の大部分を制限付き株式ユニットで支払っていますが、同社株の長引く低迷により、2023年の給与はアマゾンが社員に示した予測目標より15%から50%低くなると、事情を知る関係者が述べたとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。

アマゾンはこれまで、従業員への基本給を他の大手ハイテク企業よりも少なくしてきましたが、その分を数年で権利が確定する株式報酬で補ってきました。ある従業員によると、アマゾンの従業員は長く勤めれば勤めるほど、報酬が株式報酬に依存するようになり、株式が総収入の50%以上を占めるようになる人もいるそうです。

アマゾンが従業員に譲渡制限付き株式ユニットを発行する場合、アマゾンの株式は毎年少なくとも15%上昇するという前提になっているそうで、現に2017年から2022年初頭までの間、株価は毎年平均約30%上昇していました。

しかし、アマゾンの株価は現在1株96ドル前後で取引されており、従業員の給与パッケージの中には、株価が1株170ドル前後になることを前提に構成されているものもあると関係者は述べているそうです。

このことはアマゾン社内でも問題視されており、事実上の減給に相当する内容を従業員にどう伝えるかについての研修資料を管理職に送付したそうです。

アンディー・ジャシーCEOもシアトル本社で最近開かれた全員参加の会議でこの問題に言及し「今が本当に大変な時期だと感じていることは承知している。経済情勢は不透明だし、1万8000人の従業員に別れを告げなければならないし、市場も不安定だ。結果、報酬が影響を受ける。しかし、私は、この困難な時期に入ったときよりも、比較的強い立場で、この時期から抜け出すチャンスがあると、かなり楽観的に考えている」と述べたとウォール・ストリート・ジャーナルは報じています。

昨年、人材争奪戦と株価低迷の中、アマゾンは給与の現金部分の上限を16万ドルから35万ドルへ引き上げています。さらに今年は、1%から4%までの昇給を行う予定だとのこと。ただ、今年の目標報酬を達成するために、同社が従業員に制限付き株式をさらに発行することはないだろう、関係者は述べているそうです。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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