インターネットインフラ企業であるクラウドフレア(NET)は2月9日のマーケット終了後に第4四半期決算を発表しました。
第4四半期の売上高は2億7470万ドルで、1株当たり6セントの利益を計上しました。ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想では、売上高2億5,060万ドルに対し、純利益は1株当たり5セントの予想でした。
また、同四半期の有料顧客数は16万2086人で、前年同期比16%増となっています。しかし、同分野の他のソフトウェア事業と同様、同社は顧客支出の逆風に見舞われました。
「経済の先行き不透明感から企業は支出に慎重になり、意思決定プロセスの長期化、ひいては販売サイクルの長期化につながり、クラウドフレアを含むテクノロジー業界全体の収益の伸びを圧迫しました」と、最高財務責任者のThomas Seifert氏は決算説明会で述べています。
第1四半期である今四半期については、売上を2億9000万ドル〜2億9100万ドル、1株当たり利益を3セント〜4セントとするガイダンスを示しました。アナリストのコンセンサス予想では、売上高を2億9000万ドル、1株当たり利益を3セントと予想されていました。
また2023年通年については、13億3000万ドル〜13億4000万ドルとのガイダンスを示し、コンセンサス予想の13億1000万ドルを上回っています。
ニーダムのアナリスト、アレックス・ヘンダーソン氏は2月10日に、「NETは、強力な売上高、ARR(年間経常収益)、キャッシュフローの実績、強力だが明らかに保守的なガイダンスを提供し、独自のクラスであることを示し続けている」と書き、目標株価を70ドルから77ドルに引き上げ、「買い」の格付けを維持しました。
一方、J.P. モルガンのアナリスト、マーク・マーフィー氏は、同社の目標株価を50ドルから53ドルに引き上げましたが、リサーチノートに、同社が「短期的に需要環境が改善するとは思えない。これは、資本コストが上昇する中、賢明で根拠のある見方だと考えている」 と書き、「ニュートラル」の格付けを維持しました。「同社の技術と市場機会は、厳しい事業環境とマクロ変動に対する投資家の感受性によって相殺されると考えるからだ」と格付け維持の理由を書いています。
予想を上回るガイダンスを示したことでクラウドフレアの株価は10日朝の市場で5%高の61.1ドルと急騰しています。同社の株価は昨年3月から50%も下落していますが、今年に入り40%を超える上昇を示しています。
*過去記事「予想を上回る決算を発表したクラウドフレアが時間外で下落」