アルファベット、メタ、マイクロソフト、決算説明会で注目を集めるAIの話題

四半期決算の発表が佳境を迎えていますが、オープンAIの「ChatGPT」の成功もあって、大手ハイテク企業であるマイクロソフト(MSFT)、メタ・プラットフォームズ(META)、アルファベット(GOOGL)などはもちろんのこと、他のセクターの企業も決算説明の会議で人工知能(AI)に関して熱心に語っています。

AIに言及した決算説明会の数自体は1年前に比べて減っていますが、AIに関する言及数は、ハイテク大手が強力に普及を推進していることもあって急激に増加しています。

AlphaSense/Sentieoのトランスクリプトデータの分析によると、今年のAIに関する言及は1年前の303件を大きく上回り、合計466件に達したそうです。このことから、ビジネスリーダーたちがAIが将来どのように利益をもたらすかを投資家に知らせたいと思っているかがわかります。

同じようなことは以前にもあり、2021年から2022年にかけて、カンファレンスコールにおいて暗号通貨の話題が取り上げられることが多くなり、デジタル資産の価格が高騰するとともに、注目度が急上昇しました。しかし、オープンAIの製品であるChatGPTが暗号通貨とは異なるのは、「すぐに使えるもの」という特徴があるとAlphaSense/Sentieoのリサーチディレクター、ニック・マジック氏は語っています。

アルファベット、メタ・プットフォームズ、マイクロソフト、アップルといったハイテク大手は、さまざまな方法でAIを開発・利用しており、その中には明らかでないものや公になっていないものもあります。

アルファベット

マイクロソフトは、オープンAIへの投資と、その技術を事業の一部に統合する計画のおかげで、投資家の注目を集めました。ニューヨークタイムズは、ChatGPTの話題性とマイクロソフトの関与により、グーグルの親会社であるアルファベットでは、自社のAI能力をもっとアピールするよう圧力が強まっていると報じています。

そのためかアルファベットの幹部は先週、AIに関する話題を取り上げました。2月2日の決算説明会では、「AI」または「人工知能」という言葉が経営陣とアナリストの双方から62回出てきて、2022年の会議における26回を大幅に上回りました。その中で、CEOのサンダー・ピチャイ氏は、「私たちはAIの旅の始まりに過ぎず、最高のものはまだ来ていない」と述べています。

メタ・プラットフォームズ

フェイスブックの親会社であるメタのトップも、AIに関する発言を熱心に行いました。メタの決算説明会では、AIが37回取り上げられ、前年度の10回から増加しました。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、メタがレコメンデーションや広告事業でAIを使っている一方で、同社が「我々の研究を基に、ChatGPTが適合するタイプのAIである生成的AIのリーダーになることを望んでいる」と発言しています。

マイクロソフト

投資家が過去の決算説明会からだけ判断すると、マイクロソフトがAIにどれだけ関心を持っているか分からないかもしれません。2021年第1四半期までの7回の決算説明会では、AIについては一桁の言及だけでした。しかし、マイクロソフトの経営陣は今回、より積極的にAIに関する発言をしました。1月24日の電話会議では、AIについて29回発言されています。

CEOのサティア・ナデラ氏は、オープンAIへの投資と商業パートナーシップは「AIをリードすることで、マイクロソフトのあらゆるソリューションにおいてイノベーションと競争上の差別化を推進することになると思う」と述べています。

アップル

アップルのAIへの言及は他社と比べるとおとなしいものでした。幹部が言及したのは2回。CEOのティム・クック氏は、2月2日の電話会議で、「AIの役割とアップルがその加入者ベースをよりよく収益化するためにAIをより使用しているかどうか」という質問への答えとして、「我々の主要な焦点である」であり、「AIは私たちが持つすべての製品、すべてのサービスに影響を与えるだろう」と述べています。

Sentieoで検索してみると、今回の決算発表の前の2018年5月以降、アップルの決算説明会では「AI」という言葉は出てきていないことがわかるそうです。

アマゾン(AMZN)の電話会議では、AIは一切話題になりませんでしたが、他のテクノロジー企業の幹部たちはもっと積極的でした。IBMの会議では、AIに関する34回の言及があり、前年の21回から増加しました。また、ネットワーク企業のジュニパー(JNPR)では、昨年の会議で13回話題になったのに対して、今回は24回話題になりました。

ジュニパーのCEOのラミ・ラヒム氏は、マクロ経済的な理由にもかかわらず事業を楽観視する背景には、まずジュニパーが「AI主導のクラウドベースの自動化ツールを活用して顧客業務を簡素化し、エンドユーザー体験を向上させることに注力している」ことが挙げられると述べています。

しかし、この技術に関心を寄せているのは、ハイテク企業のトップのみではありません。人材派遣企業であるロバート・ハーフ・インターナショナル社(RHI)の電話会議では、AIについて9つの言及があり、1年前の2つから大幅に増えました。

「特にAIで得たメリットには非常に満足している。我々は、営業のフィールドで働くプロフェッショナルのために、最も有望なリードを特定するためにAIを活用している」とCEOのM・キース・ワデル氏は語っています。

「我々は大量の投資をAIに行っている」と、キャタピラー(CAT)の1月31日の電話会議で、CEOのジム・アンプルビー氏は述べました。同社はAIを使って、部品が必要な場所を予測し、ディーラーに修理の手がかりを提供しています。

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