バークレイズ証券のアナリストは1月23日、半導体株大手の2023年の見通しについてポジティブな見方を示し、格付けのアップグレードと目標株価の引き上げを行いました。
全ての半導体株について強気というわけではなく、バークレイズは、データセンター、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話へのエクスポージャーを持つ企業に対して、肯定的な見方を示しています。
特に同社が評価しているのが、このところ話題となっている人工知能(AI)関係で、Chat GPTやその他の生成的AI技術に関連する銘柄について強気です。
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)を「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げし、目標株価も70ドルから85ドルに引き上げました。(Chat GPT など)生成型 AIのアプリケーションが実際に使われ出したことが、AMDにプラスに働くと評価しています。
エヌビディア(NVDA)についても、同社は依然としてAIに使われるGPUを提供していることで他社をリードしているとし、AIがもたらすビジネスチャンスがあるとして、アナリストは目標株価を170ドルから250ドルに引き上げ、「オーバーウェイト」の格付けを維持しました。バリュエーションは依然として高いままですが、将来を期待した資金が流入しており、昨年10月につけた安値を試すような下落は再び起きないと見ています。
バークレイズはクアルコム(QCOM)についても強気で、「イコールウェイト」から「オーバーウェイト」に格上げし、目標株価も120ドルから150ドルに引き上げました。中国とプレミアムチップ分野の追い風に加え、自動車とモノのインターネット接続機器における持続的な成長機会を強調し、複数の要因が同社に対する楽観的な見方を支えていると述べています。
一方で、半導体製造装置関連企業については楽観視していません。アプライド・マテリアルズ(AMAT)の格付けを「イコールウェイト」から「アンダーウェイト」に格下げしたほか、KLA(KLAC)、ビーコ・インストゥルメンツ(VECO)も格下げしました。その理由としてシリコンウェファーにトランジスタ層を形成するまでの工程であるフロントエンドの価格が下落することをあげています。
バークレイズの推奨を受けて、エヌビディア、AMD、クアルコムの株価は1月24日の市場でいずれも7%を超える上昇を見せています。
*過去記事はこちら エヌビディアNVDA AMD