クアルコム(QCOM)は1月5日、自動車内での消費者の行動を追跡するためにセールスフォース(CRM)と提携することを発表しました。
ラスベガスで今週開催されているるCESトレードショーでのインタビューで、クアルコムの自動車担当シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャNakul Duggal氏は、顧客が車内で何をしているか(どんな機能を使い、どんなメディアを消費し、どうやって運転しているか)を理解する新しいツールを作るためにセールスフォースと提携して動いていることを明かしました。
携帯電話用チップのプロバイダとしてよく知られているクアルコムですが、自動車分野にも進出しており、特に、1つのプロセッサでコックピット・ディスプレイとドライバー支援技術の両方を制御できるチップ、Flexを開発しています。
Duggal氏によると、このチップの商用サンプルは2024年初頭に入手可能となり、2024年半ばには生産が開始される予定です。同氏によると、クアルコムにはすでにFlexの顧客がおり、同社の自動車向けバックログに含まれているとのことです。
同社は9月のアナリストとの会合で、コックピット・ディスプレイ、先進運転支援システム、コネクティビティ、カー・ツー・クラウドサービスなど、自動車技術に関する受注残が300億ドルあると発表しています。
Duggal氏は、コネクテッドカーは「自動車のライフサイクルの中で商業的な可能性を引き出す大きなチャンス」を提供すると述べています。
そのために、「自動車メーカーは、消費者が実際にどのように製品を使うのかを理解する必要がある。顧客は誰なのか?どのように広告を打てばいいのか?どのような機能を使っているのか?音楽を聴くのか?ラジオを聴くのか?どこに旅行するのか?どこでガソリンを購入するのか?」と同氏は述べ、今回セールスフォースとの提携して消費者の行動を追跡する意義を述べてます。
CESでクアルコムは、同社のFlexプラットフォームの機能をフルに発揮させることを目的としたコンセプトカーも披露しています。このデモのパートナーには、セールスフォースだけでなく、アマゾン・ドット・コム(AMZN)のAmazon Music、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZOOM)、アイハートメディア(IHRT)なども含まれています。
Duggal氏によれば、このコンセプトカーは、ゼネラルモーターズ(GM)やテスラ(TSLA)と競合する予定はなく、自動車が多くの独立したアプリケーションをサポートするプラットフォームであるという概念を示すためのものだそうで、自動車メーカーは、「これらの技術をどのように収益化するか、新しいビジネスモデルを構築しなければならない」と述べています。