インフレ、金利上昇、景気後退の3重苦に強い16の銘柄

投資家は2023年に向けて、慎重な見方をしています。インフレはピークアウトの兆しがあるにもかかわらず、依然として非常に高い水準にあり、その低下も極めて緩やかです。金利は上昇し、FRBはしばらく金利を据え置くことを約束しています。その結果、景気後退に陥る可能性があり、これが2023年の米国経済の重しになると多くの人が考えています。

このように来年の米国経済は厳しい状況ですが、この3重苦にも耐えることができる銘柄を見つけられないというわけではありません。経済誌バロンズは、インフレ、金利上昇、景気後退に強い企業を見つけるために、負債が少なく、収益性が高く、着実に成長している企業に注目しました。

そうした企業を選定するために、同誌は、以下の表に示す指標でスクリーニングして16の銘柄をピックアップしています。

純有利子負債と Ebitda(金利・税金・減価償却費控除前利益)の比率が2%以下であれば、バランスシートが強固で、金利に対する感応度が低い企業であると考えられること。営業利益率が30%以上であれば、インフレを乗り切る価格決定力を持っている企業であると考えられること、過去12四半期の前年同期比収益成長率の標準偏差(平均変動率の統計的尺度)が10%未満である企業は一貫して利益を上げていると考えられること、などがこれらの指標を用いた理由となっています。

会社名ティッカーEbitdaに対する純負債額営業利益率EPS成長率の標準偏差(過去12四半期)フォワード株価収益率(Forward Price/Earnings Ratio)
ムーディーズMCO1.9932.39%9.04%31.33
フィリップ・モリスPM1.6336.95%4.14%17.72
ゾエティスZTS1.2935.81%3.31%28.64
マスターカードMA0.5154.07%8.25%28.82
ブラックロックBLK0.2239.43%5.12%20.60
ラム・リサーチLRCX0.133.46%6.81%14.45
ビザV065.33%5.58%24.38
テキサス・インスツルメンツTXN-0.151.10%4.82%21.62
オールド・ドミニオン・フレイト・ラインODFL-0.1330.93%5.92%24.77
ペイチェックスPAYX-0.1741.09%3.87%27.80
マイクロソフトMSFT-0.342.93%5.16%23.95
マーケットアクセス・ホールディングスMKTX-0.6744.34%7.10%37.97
コパートCPRT-0.9334.87%8.66%26.40
モノリシック・パワー・システムズMPWR-1.4330.66%5.83%29.48
アリスタネットワークスANET-2.1235.46%8.41%24.00
チャールズ・シュワブSCHW-2.348.67%7.07%16.91

信用格付け会社のムーディーズ(MCO)、給与処理会社のペイチェックス(PAYX)、トラック運送会社のオールド・ドミニオン・フレイト・ライン(ODFL)、動物医療会社のゾエティス(ZTS) 、半導体会社のテキサス・インスツルメンツ(TXN)、資産運用会社のブラックロック(BLK)などの16銘柄で構成されるこのリストの中で割安な銘柄はほとんどありません。

タバコメーカーのフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)と証券会社のチャールズ・シュワブ(SCHW)が、S&P 500の平均評価倍率を下回る価格で取引されているだけで、あとの銘柄はいずれもを平均評価倍率を上回る価格で取引されています。

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