クラウドストライク・ホールディングス(CRWD)は11月29日のマーケット終了後に第3四半期決算を発表しましたが、マクロの経済環境の逆風と顧客の購入サイクルが長くなる中で、新規契約が予想を下回ったと発表したことで、29日のアフターマーケットで20%近く下落しました。
第3四半期は、前年同期の5,050万ドル(1株当り22セント)の損失に対し、5,500万ドル(1株当り24セ ント)の損失を計上しました。株式報酬型その他の項目を除いた調整後当期純利益は、前年同期の17セントに対 し、40セントとなりました。売上高は前年同期の3億8,010万ドルから5億8,090万ドルに増加しました。
アナリストは、クラウドストライクが5億6,910万ドル〜5億7,590万ドルの売上で1株当たり30セント〜32セントの利益を計上すると予想していました。
第3四半期の業績は1株当たり利益、売上ともにアナリストの予想をわずかに上回りましたが、市場を失望させたのは現在進行中の第4四半期のガイダンスでした。
同社は、第4四半期の売上を6億1910万ドル〜6億2820万ドル、調整後の1株当たり利益を42セント〜45セントとするガイダンスを示しましたが、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想は6億3390万ドルの売上に対して1株当たり34セントの利益となっていました。
また通期についてクラウドストライクは、22億2000万ドル〜22億3000万ドルの売上に対して、通年で1株当たり1.49ドルから1.52ドルの利益とのガイダンスを示しました。アナリストは売上高22億3000万ドルで1株当たり1.33ドルと予想していました。
クラウドストライクの共同創業者で最高経営責任者のジョージ・カーツ氏は電話会議で、同社がこの四半期に新たに計上した年間経常収益(ARR)は1億9810万ドルと、期待していたほどではなかったとアナリストに語りました。
ARRは、SaaS(Software-as-a-Service)ビジネスの指標で、サブスクリプションに基づく収益がどれだけ見込めるかを示すものです。発表された数字は前年同期比54%増の23億4000万ドルで、アナリストのコンセンサス予想の23億5000万ドルを下回りました。カーツ氏は、約1,000万ドルが次の四半期に繰り延べられたと述べています。
「このようなマクロ的な逆風は第4四半期まで続くと予想している」とカーツ氏はアナリストに語っています。
クラウドストライクの最高財務責任者であるBurt Podbere氏は、「マクロ懸念による販売サイクルの長期化が続くと予想しており、予算に対する監視の目が厳しくなっていることから、典型的な第4四半期予算のフラッシュは期待できません」と述べ、第4四半期の純新規ARRが第3四半期を最大10%下回ると「仮定するのが賢明」だとしています。これは、来年上半期に前年同期比約10%の逆風が吹くことを意味し、「通年の新規純増数は前年同期比ほぼ横ばいから微増になる」と述べています。
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