デジタル決済企業のブロック(SQ)が11月3日、第3四半期決算を発表しました。アナリストの予想を大きく上回る前年同期比38%増の15億7000万ドルに粗利益が達し、時間外取引で株価が高騰しています。
モバイルウォレットのキャッシュアプリの売上総利益は前年比51%増の7億7400万ドル、スクエアの販売事業の売上総利益は29%増の7億8300万ドルでした。四半期の売上総利益は前年比45%以上増加しています。
ブロックの株価は、1.3%安で3日の通常取引を終えた後、アフターマーケットで14.5%高に跳ね上がっています。他の決済企業との競争に対する懸念や、投資家がハイテク株全般への投資を躊躇していることもあり、株価は今年に入ってから60%以上下落していました。
第3四半期の純売上合計は17%増の45億2000万ドルでした。ビットコインの売上を除いた第3四半期の純売上総額は、前年同期比36%増の27億5000万ドルとなっています。
株式報酬とその他の経費を調整した後、ブロックは1株当たり42セントを計上しています。
ファクトセットが調査したアナリストのコンセンサス予想は、一般に認められた会計原則に基づき、1株当たり28セントの損失を計上し、売上高は45億ドルとなっていました。また、調整後の利益は1株当たり23セントと予想されていました。
9月の1カ月間のキャッシュアプリ・カードのアクティブユーザーは1800万人近くだったそうで、これは前年比で40%以上増加しています。
同社はまた、株主向けレターの中で、キャッシュアプリへの有効口座あたりの流入額は、前期には税金対策や景気刺激策による恩恵があったものの、前期比でも前年比でも比較的安定していたと述べています。
最高財務責任者(CFO)のアムリタ・アフージャ氏はアナリストとの電話会議で、「有効口座数あたりの流入額については、健全なトレンドが見られるので、本当に心強いです」と述べています。この流入額は、キャッシュアプリの顧客がプラットフォーム内で消費する力を示しており、「明らかに、顧客の健全性を示すシグナルとして、今後も管理・監視していく分野」だということです。
ファクトセットによると、アナリストの3分の2がブロック株を「買い」と評価しています。平均目標株価は98.03ドルで、3日の終値53ドルより85%高い水準ですが、年初に取引されていた165ドルから大きく下がっています。
*過去記事はこちら ブロック SQ