アップル(AAPL)は10月27日のマーケット終了後に同社の第4四半期、2022年7~9月期決算を発表しました。
第4四半期の売上は、前年同期の834億ドルから8%増の901億ドルに達し、ファクトセット調べのアナリストのコンセンサス予想である887億ドルを上回る結果となりました。
最大の事業であるiPhoneの売上は426億ドルで、前年の389億ドルから増加しましたが、アナリストの予想の430億ドルは下回りました。
大きく伸びたのはMac部門で、売上高は115億ドルと過去最高を記録し、93億ドルとされていたアナリストのコンセンサス予想を大きく上回りました。
最高経営責任者のティム・クック氏は電話会議で、アップルのカスタムM2チップを搭載したMacBook Airの発売と、供給制限の緩和により需要に対応できたことが、Mac部門の利益につながったと説明しています。しかし最高財務責任者のルカ・マエストリ氏は、12月期は非常に好調だった前年の数字と比較することになるため、Macの売上は前年同期比で「大幅に減少」するとの見通しを示しています。
決算発表前に話題となっていたのは新しいiPhone 14シリーズの需要がどの程度維持されているかということでした。特に同社が以前の生産目標を縮小したという報道があったため注目されましたが、クックCEOは、まだ時期尚早ではあるものの、「消費者の需要は強く、我々が予想していたよりも良いものだった」と述べています。
iPhone 14 ProとiPhone 14 Pro Maxのモデルで供給制約を受けており、クックCEOは、同社がすべての需要を満たすことができるまで、携帯電話の「正確な構成を決定する」ことは困難であると付け加えています。
アップルの製品ライン全体の売上実績はまちまちでした。Macの売上は好調だったものの、iPadの売上は83億ドルから72億ドルに減少しました。アナリストはiPadの売上を78億ドルと予想していましたが、これを下回りました。
ウェアラブル、ホーム&アクセサリー部門の売上は97億ドルで、前年同期の88億ドルから増加しました。アナリストは92億ドルの売上を予想していました。
サービス収入は183億ドルから192億ドルに上昇しましたが、200億ドルとしたアナリストのコンセンサス予想には届きませんでした。マエストリCFOは、12月期は同事業が成長すると見込んでいるものの、広告やゲームへの圧力、外国為替の影響により、同事業が影響を受ける可能性があると話しています。
第4四半期の純利益は、前年同期の206億ドル(1株当たり1.24ドル)に対し、207億ドル(1株当たり1.29ドル)を記録しました。アナリストは、1株当たり1.27ドルの利益を予想していました。
経営陣が年末年始の売上高の伸びが鈍化すると予測したことも影響してか、決算発表後の時間外取引で株価は一時下落しましたが、その後持ち直し、27日の通常取引の終値と同じか若干高い価格で取引されています。
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