フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズ(META)は10月26日のマーケット終了後、第3四半期決算を発表しました。
第3四半期の売上は277億ドルで、前年同期比4%減となりましたが、アナリストの予想とほぼ一致しました。しかし、1株当たり1.64ドルは予想を下回りました。
ウォール街のアナリストは、売上高を275億ドル、1株当たり利益を1.90ドルと予想していました。メタ社のガイダンスでは、売上高は260億ドル〜285億ドルの間とされていました。
マーク・ザッカーバーグCEOは声明で、「我々は売上面で短期的な課題に直面しているが、より強力な売上成長への復帰のための基礎はそこにある。我々は、現在の環境を乗り切り、さらに強力な企業として浮上するために、優先順位付けと効率性に重点を置いて2023年に近づいている」と述べています。
第4四半期については、売上高が300億ドル〜325億ドルという見通しをメタは示しました。これはアナリストのコンセンサス予想の324億ドルを大きく下回っています。
同社は決算プレスリリースで、より効率的に運営するために「いくつかの重要な変更を行っている」とし、2023年には一部のチームの人員数を横ばいにし、他のチームを縮小する」と述べています。2023年末の人員数は2022年第3四半期の水準とほぼ同じになると予想しているとのことです。
2022年の総支出は850億~870億ドルで、前回予想の850億~880億ドルから若干修正されました。オフィス施設の統合費用として9億ドルが含まれているそうです。
2023年の支出を960億ドル〜1,010億ドルの範囲と見込んでおり、これにはオフィスの統合費用20億ドルが含まれます。この範囲の中間値では、15%の経費増となり、このことも株価が急落している理由の一つであると思われます。
Altimeter CapitalのCOEであるBrad Gerstner氏は、今週初めにザッカーバーグCEOとメタの取締役会に宛てた公開書簡で、メタに20%の人員削減、年間50億ドルの資本支出の削減、メタバースへの支出の上限を年間50億ドル以下にするよう要請していますが、決算発表の内容からはメタは同氏のアドバイスに従ってはいないようです。
メタはまた、仮想現実ヘッドセットやメタバースの開発を含むReality Labs部門の営業損失が、2023年には「前年比で大幅に拡大する」と予想しているとし「2023年以降は、長期的に会社全体の営業利益を伸ばすという目標を達成できるよう、Reality Labsの投資のペースを上げていく予定だ」と述べています。
当四半期、メタはReality Labs部門で37億ドルの損失を出しています。ソーシャルメディア事業の中核である「アプリのファミリー」部門の営業利益は93億ドル。広告収入は272億ドルで、前年同期比3.6%減でした。
メタは、今年の設備投資額を320億〜330億ドル、来年は340億〜390億ドルと予想しており、「データセンター、サーバー、ネットワークインフラへの投資が原動力」と述べています。「AIの容量の増加が、2023年の当社の資本支出の増加の実質的なすべてを牽引している」とのことです。
メタの期待はずれの決算発表を受けて株価は暴落。10月26日のアフターマーケットで16.65%安の108.2ドルで取引されています(米国東部夏時間 05:36PM)。26日の通常取引の終値は前日比、5.59%安となっており、合わせるとこの日1日で22%を超える下落を記録したことになります。
*過去記事はこちら メタ・プラットフォームズ