衛星通信のビアサットが27%の高騰

衛星通信事業を展開するビアサット(VSAT)は、軍事用の戦術的データリンクネットワークであるLink 16 Tactical Data Links 事業を防衛請負業者のL3ハリス・テクノロジーズ(LHX)に19億6000万ドルで売却することに同意したことを発表しました。

Link 16事業は、陸・空・海で活動する戦闘員に安全で妨害のないLoS(Line-of-Sight)通信を提供するために設計された軍事戦術データリンク・ネットワークです。

ウィリアム・ブレアのアナリストであるLouie DiPalma氏は、資本集約的な衛星事業の資金調達とスペースXが運用するスターリンクとの激しい競争のために、ビアサットが資産を売却することが必要であると10月3日に述べています。

同氏によれば、約1250億ドルの価値があると評価されているスペースXが株式資金を調達できる点で優位に立っており、今後、アマゾン(AMZN)とワンウェブがこの業界に参入することで、これから2年あまり、競争がさらに激化すると予想しています。

アマゾンの宇宙用Wi-Fiプロジェクト「カイパー」は、今年の第4四半期には軌道に乗ると見られています。また、ワンウェブの最高技術責任者マッシミリアーノ・ラドバズ氏は先週、同社が次の打ち上げに向けて前進しているとツイートしています。

DiPalma氏は、ビアサット3衛星の打ち上げや航空会社向けの無料Wi-Fiなどを計画しているビアサットの将来性について依然として強気です。同氏は同株式の格付けを「アウトパフォーム」、目標株価を40ドルとしています。

ビアサットはプレスリリースの中で、今回の売却により、税金、手数料、その他の経費を見積もった後、18億ドルのネット・キャッシュが得られると述べています。同社は、この売却益により、「レバレッジを低くし、現金利息を少なくすることで、提案中のインマルサット取引を含め、プラスのフリーキャッシュフローへの道を完全に賄う」ことができると予想しています。

昨年11月、同社は、英国の衛星通信会社インマルサットを73億ドルで買収することに合意しています。

今回の売却により、プラスのフリーキャッシュフローへの道筋をつけたことを好感し、ビアサットの株価は10月3日に高騰、終値は26.93%高の38.37ドルとなっています。

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