アマゾン スタッフの時給引き上げを発表、10億ドルのコスト増に

アマゾン(AMZN)は、労働組合を結成しようとする一部の従業員の動きに対抗するため、倉庫や運送会社の従業員の時給を引き上げることを決めました。

この計画は同社のコスト増につながるものですが、秋のホリデーシーズンに採用を考えているライバルにプレッシャーを与えることになります。

アマゾンは9月28日に、カスタマー・フルフィルメントと輸送スタッフの平均初任給を、従来の時給18ドルから19ドル以上に引き上げると発表しました。これは、今後1年間で約10億ドルのコストが増えることを意味します。

一年で最も忙しい買い物シーズンを前に、スタッフの獲得競争が激化するため、小売業のライバル企業は対応に追われることになるかもしれません。

ターゲット( TGT) は今年2月に、初任給を15ドルから24ドルに引き上げ、最大で3億ドルを費やすと発表しています。ウォルマート(WMT)は昨年9月に最低賃金を11ドルから12ドルに引き上げ、この動きによって全体の平均賃金は時給16.40ドルになったと発表しています。

しかしウォルマートは先週、ホリデーシーズンには季節雇用とフルタイムスタッフを4万人しか雇わず、2021年の15万人から減少させると発表しています。また、米労働統計局は今月初め、8月の平均時給の上昇率は0.3%で、7月の0.5%の上昇から鈍化し、失業率は3.7%に上昇したと発表しました。

こうした労働市場の冷え込みを示す最近の兆候にもかかわらずアマゾンの発表は行われました。4月にニューヨークの配送センターで働く従業員が労働組合を結成を決めたことによって生じている労働不安をしずめる狙いがあるものと見られています。

その一方で、ウォールストリートジャーナルは、アマゾン最高経営責任者のアンディ・ジャシー氏が同社が採用率を減速させていると述べたと報じています。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

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