ブロック(SQ)の株価は年初来で66%ダウンと大きく下落していますが、JPモルガンのアナリスト、Tien-tsin Huang氏は、市場はブロックの多大な収益力を認識できていないと指摘しています。
ブロックの最高財務責任者(CFO)や同社のIRチームと最近行った会合に出席して、同氏は、ブロックが2024年までに利幅を2桁拡大できると確信したそうで、市場はこの事業を「過小評価している」と主張しています。
JPモルガンは9月23日、ブロックの格付けを「オーバーウエイト」とし目標株価115ドルを再度提示しました。ブロックの株価は市場全体が大きく下がる中、逆行高を演じ、23日の終値は0.61%高の56.27ドルとなっており、JPモルガンの目標株価は1年後に株価が2倍になることを意味します。
高金利やインフレといった懸念が成長株の価格を押し下げ、個人消費を制限していますが、JPモルガンはスクエアの最近のパフォーマンスにポジティブな要素を見ています。
ブロックのPOSプラットフォームであるスクエアの場合、8月の売上総利益の伸びは7月と前四半期とほぼ同じでした。一方、ブロックのモバイル決済プラットフォームであるCash Appへの支出は、Huang氏によると、第2四半期よりもわずかに好調だったそうです。
Huang氏は、ブロックの事業が成長に投資し、市場シェアを拡大することで、2024年までに達成できる利幅に勇気づけられると述べています。
同氏によれば、Cash Appのマージンは2021年の12%から18%~22%の範囲に拡大する可能性があるそうで、そうなれば、Cash Appはウエスタンユニオン(WU)やペイパル(PYPL)といった他の決済プラットフォームと肩を並べることになると見ています。
一方、スクエアのマージンは、現在の34%から2024年には40%~47%に拡大する可能性があると同氏は予想しています。
Huang氏の目標株価115ドルは、2024年に予想される1株当たりの粗利益の7倍の倍率に相当します。一般的に、20%から30%の範囲で粗利益を増やすことができる他の成長志向のフィンテック企業は、一桁半ばから二桁前半の倍率で取引されているそうです。
今年に入り株価が大きく下落しているものの、アナリストは総じてブロックに対して楽観的です。ファクトセットが調査したアナリストの約3分の2は、「買い」と評価しており、平均目標株価は110.19ドルとなっています。
それでも、ブロックは今週、2つの格下げを受けています。米国みずほ証券はブロックの格付けを「買い」から「中立」に引き下げ、目標株価を125ドルから57ドルに引き下げました。また、エバーコアISIは、競争の激化とマクロ経済の厳しい状況を理由に、同株式をアウトパフォームからアンダーパフォームに格下げし、目標株価を120ドルから55ドルに引き下げました。
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