ネットフリックス（NFLX）は、コスト意識の高い視聴者を維持し、新たな視聴者を惹きつけるために、広告付きの定額制という新しい料金プランの導入に取り組んでいます。しかし、ウォール街では、この新しい戦略がストリーミングプラットフォームの役に立つのか、それとも損になるのか、意見が分かれています。
ネットフリックスは会員数の大幅な減少に伴い、より安価な広告付きの料金プランを導入することを決定しました。新料金プランは来年早々に開始される予定です。
マッコーリーリサーチのアナリスト、ティム・ノーレン氏は、広告なしのアプローチに潜在的な利益を見出しており、9月7日付けのリサーチノートで、ネットフリックスが2025年までに米国とカナダで最大36億ドルの広告売上を生み出す可能性があると推定しています。
「ネットフリックスは、広告主が望む大規模な視聴者を生み出すために、新しい階層価格を通じて広告サポートプラットフォームを選択する十分な視聴者を動機付ける一方で、広告収入によって見送られる広告なしの加入者収入を補って余りあるものを確保することになるだろう」と同氏は広告付きプランの効果を評価し、「我々は、ネットフリックスがこのバランスを正しく取れた場合、同社は広告付きプランの加入者でより高い（ユーザーあたりの平均収入）を享受することができ、全体的に高い売上をもたらすことができるだろう」と予想しています。
ノーレン氏は、ネットフリックスの格付けを「アンダーパフォーム」から「ニュートラル」に格上げし、目標株価を170ドルから230ドルに引き上げています。
しかし、バンク・オブ・アメリカのアナリスト、ナット・シンドラー氏はそれほど熱心ではありません。同氏は、「アンダーパフォーム」の評価と196ドルの目標株価を維持しています。
同氏はリサーチノートの中で、同社の広告イニシアティブから実現しうる利益の効果が出てくるのは、最低でも数四半期先だとの見解を示しています。
また、安価なプランの導入により、既存プランの会員の新しいプランへの乗り換えが増え、サブスクリプション収入をさらに減少させる可能性があることなどを同氏は指摘しています。
＊過去記事はこちら ネットフリックス NFLX