厳しいマクロ経済環境と需要の急減速を理由に、予想を大幅に下回る10月期の売上見通しを示したエヌビディア(NVDA)ですが、8月25日の市場が始まってまもなくは前日比で下げていたものの、その後上昇に転じています。
「エヌビディア 予想を大きく下回る売上高見通しを示して5%下落」
ベンチマークのアナリスト、Cody Acree氏は、株価の目標値を228ドルから215ドルに引き下げたものの、同銘柄の「買い」レーティングを改めて提示しました。
「我々は、NVDAのレポートと見通しは、事前発表に続いて予想通り悪いものだったと考えている」とした同氏ですが、「今が今年の業績の底値である可能性が高いため、投資家は大幅な株価の下落をポジション構築の機会として利用することをお勧めする」と推奨しています。
バーンスタインのアナリスト、ステイシー・ラスゴン氏もエヌビディアの長期的な機会について同様に楽観的な見方を示しています。同氏はアウトパフォームのレーティングと210ドルの目標株価を再度提示しました。
「投資家は、FQ3が多少ひどい結果になる可能性があると疑っていたようだ。そしてそれは、(まだやや騒がしい)修正されたコンセンサス予想をはるかに下回るものであった」と同氏は述べたあと、「リスク回避を求める投資家は、多くのものを手にすることができる」と買いをすすめています。
しかし、ウォール街の誰もが同じように肯定的なわけではありません。ウェドブッシュのアナリスト、マット・ブライソン氏は、同社の格付けを「ニュートラル」に据え置き、目標株価を190ドルから160ドルに引き下げました。同氏は、企業向けおよびクラウドコンピューティング事業を取り巻く不確実性を理由に挙げています。
「NVDAのデータセンターの売上が中期的にどのように成長するかは、依然として不透明だと考えている」との見解を同氏は示しています。
エヌビディアの株価は今年に入って約40%下落しており、半導体株の中では最も大きく下落した銘柄となっています。
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