REITは、投資者から集めた資金で不動産への投資を行い、そこから得られる賃貸料収入や不動産の売買益を原資として投資者に配当します。経済情勢にあまり影響を受けることのないREITは、少しでもリスクを分散したい投資家にとってはうってつけであり、ポートフォリオにぜひ加えておきたい商品です。
安定した配当をもたらしつつ成長性も兼ね添えているという、今非常に魅力的な2つのREITをご紹介します。
リアルティ・インカム(O)
リアルティ・インカムは、投資家に信頼できる毎月の配当所得を提供するために事業を始めました。このREITは、53年の運営歴を通じて、626回連続の月次配当支払いを行なっています。さらに良いことに、時間とともに着実にその配当を増加させてきています。1994年の上場以来、過去99四半期連続を含む116回の増配を行い、年率4.4%で配当金を増やしています。
リアルティ・インカムは、純粋な賃料に加えて、メンテナンス、建物保険、不動産税などの変動経費をテナントに負担させるトリプルネット・リース(NNN)で運用される独立型不動産の所有に焦点を合わせています。
賃貸収入の約94%は、景気後退の影響をあまり受けない業種のテナントとのNNNで得ており、そのためリアルティ・インカムは非常に安定した賃貸収入を得ることができるのです。
その上位5つのテナントは、ウォルグリーン、セブンイレブン、ダラー・ゼネラル、ダラーツリー、そしてフェデックスです。テナントの内訳は、食料品店が10%以上、コンビニエンスストアが9%となっています。稼働率は過去30年間100%近くを維持し、リース契約は加重平均で9年近く残っています。
リアルティ・インカムは、調整後営業利益の約75%を、毎月の配当を通じて株主に支払っています。また、同社はREITセクターの中で最も強固なバランスシートとAランクの信用を有してもいます。これらの要因は、同社に多大な財務的柔軟性を与え、より多くの収益不動産を着実に取得することを可能にしています。
リアルティ・インカムは、11,000以上の物件を持つ世界最大のREITの一つであり、現在も増え続けており、確実で高利回りの配当が期待できるREITとしてポートフォリオにずっと加えておきたい銘柄です。
*過去記事「何十年にもわたって保有すべき最高の配当銘柄3つ」
デジタル・リアルティ・トラスト(DLR)
デジタル・リアルティ・トラスト(DLR)はデータセンターを所有・運営する不動産投資信託(REIT)として事業を展開しています。
REITは通常ハイテク関連に分類されることはあまりありませんが、デジタル・リアルティはそんな数少ないハイテク関連REITのひとつです。
データセンターはインターネットのバックボーンと考えられており、クラウドであれオンラインであれ、ネットワークにアクセスするすべての機器の中枢神経系となるものです。スピードと効率のために、データは中央保管庫に収容される必要があり、データセンターは、 データを保存するサーバーやネットワーク機器の安全な倉庫としての役割を担っています。
デジタル・リアルティは、27 カ国に 300 を超えるデータセンターを所有し、約 3700 万平方フィートに及ぶスペースを有しています。この業界では著しい統合が進み、このセクターに特化した REIT はエクイニクス(EQIX)とデジタル・リアルティの二つだけです。
データセンターは、かつては物理的な施設だけでしたが、クラウドそのものに設置されることが多くなっています。デジタル・リアルティの プラットフォームデジタル・サービスは、クラウドと実店舗のハイブリッド・ストレージ・ オプションを提供し、利用する顧客は増加しています。
デジタル・リアルティの顧客であるアマゾンやマイクロソフトは、自社でクラウド サービスを展開していること考えると、デジタル・リアルティと同様のサービスを展開して、この先、競合相手になる可能性があります。しかし、より多くの企業が増大するデータを生成するにつれ、デジタル・リアルティの専門的なサービスに対するニーズは求め続けられると考えられています。
デジタル・リアルティは17 年連続の増配を享受しており、9月30日に行われる次の四半期配当は 1 株当たり 1.22 ドルで、利回りは 3.7%となります。この配当の旨味とデータセンター事業という時代の先端を行く分野の成長性という2つの面からデジタル・リアル ティは 魅力的な投資先となっています。