テスラ(TSLA)は7月20日の市場終了後、第2四半期決算を発表しました。売上高は169億ドル、調整後の1株当たり利益は2.27ドルでした。
アナリストは、売上高169億ドル、1.83ドル程度の第2四半期の1株当たり利益を予測していました。ブルームバーグによると、テスラがボトラムラインのアナリスト予測を上回ったのは6期連続となります。
しかし、第2四半期の収益と売上高は、2022年1~3月期決算と比較すると減少しています。第1四半期、テスラは約188億ドルの売上高で3.22ドルのEPSを計上していました。
前期からの減少は、中国がコロナ対策のためにロックダウンを行い、生産が制約され、テスラの販売する電気自動車が少なくなったためと思われます。テスラが第2四半期に納入したEVは約25万5000台で、第1四半期の約31万台から減少しました。
テスラがゼロ・エミッション車の公正なシェア以上の販売によって得る規制クレジットを除いた自動車用粗利率は約26%となり、2021年第1四半期の30%から低下しました。それでも、マージンはストリートの予測を少し上回っています。
テスラの粗利益は、自動車業界の同業他社よりも良い状態が続いています。ゼネラルモーターズ(GM)とフォルクスワーゲンの第2四半期の粗利益率は、それぞれおよそ16%、18%と予想されています。
アナリストは第2四半期のフリー・キャッシュ・フローを約5億7000万ドルと予測し、第1四半期の約22億ドルから減少すると見ていましたが、テスラは、第2四半期に6億2,100万ドルのフリー・キャッシュ・フローを計上しました。
テスラの強気派で知られるニューストリート・リサーチのピエール・フェラグ氏のようなアナリストでさえも、納車が減少しているために第2四半期にフリー・キャッシュ・フローを生み出せないのではと懸念していただけに、この結果は少し意外でした。
また、もうひとつの懸念材料であったビットコインの評価減についても、1億600万ドルと予想よりはるかに少額でした。テスラは四半期中に保有するビットコインの約75%を売却したため、評価減額が膨らむことを抑えられたようです。
テスラは、一般に認められた会計原則、GAAPに基づくEPSで1.95ドルを報告しており、この数字には、ビットコインの費用が含まれています。これは、ウォール街が予想していたGAAPベースのEPSの1.41ドルよりも良い数字となっています。
イーロン・マスクCEOは同社の決算電話会議で、2022年の下半期は記録的なものになると予想していると述べています。経済予測は難しいと断りつつ、「年末にかけてインフレ率は低下すると思う」との見通しを示しました。電池生産に必要なリチウム価格は高止まりしているものの、炭素鋼やアルミニウムなどの価格は下落傾向にあるとのことです。
また、ビットコインを現金化したことについて、マスク氏は中国の都市封鎖の不確実性に備えた一時的な措置だと説明し、「今後、ビットコインの保有を増やすことも考えている」と述べています。
テスラの株価は決算発表後の7月20日のアフターマーケットで1.39%増の752.8ドルで取引されています。
*過去記事はこちら テスラ TSLA