7月28日に6月期の決算報告の発表を予定しているアップル(AAPL)ですが、このところアナリストによるプレビューが相次いで発表されています。
7月21日にはモルガン・スタンレーのアナリスト、ケイティ・ヒューバティ氏とウェルズ・ファーゴのアーロン・レイカーズ氏がプレビューを発表しました。両氏ともに目標株価は下げたものの、「アウトパフォーム」の格付けは維持しています。
具体的には、ヒューバティ氏は目標株価を185ドルから180ドルに、レイカーズ氏は205ドルから185ドルに引き下げています。
影響力のあるアップルのアナリストとして知られるヒューバティ氏は、不況時の「質への逃避」オプションとしてアップル株を気に入っているそうで、決して不安を煽っているわけではないといった意味のことを述べた上で、アナリストのコンセンサス予想を下回る可能性について言及しています。
ヒューバティ氏は、6月期決算について、売上高825億ドル、1株当たり利益1.16ドルとするストリートのコンセンサス予想を若干下回る見込みであるとし、Macとサービス収入の両方が不調となり、好調なiPhone販売を相殺すると予想しています。同氏は、売上高を806億ドル、EPSを1.10ドルと予想しています。
ヒューバティ氏の見通しは、為替による逆風が5%ポイントで、Appleが予想していた3%ポイントを上回りますが、供給不足による影響は同社のガイダンスレンジである40億ドルから80億ドルの下限にとどまると想定しています。同氏は、MacとiPadの売上がともに中国の操業停止による影響を受けたと考えており、iPadの売上は3月期から7%減少し、Macは26%減少すると考えています。
ヒューバティ氏は、マクロ経済情勢に関するアップルのコメントは「比較的控えめ」になると予想しています。さらに、「高所得者層の顧客の心理が警戒感を示している」ことに加え、ドル高によってアップルが一部の国際市場で価格を引き上げていることから、2023年9月期のコンセンサス予想が高すぎるという「可能性もある」と述べています。
同氏は、コンセンサス予想が来年の売上高を4146億ドル、1株当たり利益を6.51ドルと見ているのに対し、自身の予想は売上高4088億ドル、EPS6.22ドルであるとしています。9月期については、売上高893億ドル、1株当たり利益1.27ドルと予想しており、売上高899億ドル、EPS1.31ドルのコンセンサス予想よりこちらもやや下回るとしています。
レイカーズ氏は、6月期の業績はストリート予想に沿ったものになると考えており、前回の決算説明会では、為替、中国、ロシア、供給制約などの逆風を十分に反映したコメントをしていると述べています。
レイカーズ氏のモデルでは、売上高は808億ドル、利益は1株あたり1.14ドルと予想されています。レイカーズ氏は、今期のiPhoneの予想は低すぎるかもしれないが、PC市場の最近の低調なデータからすると、Macの予想は高すぎるかもしれないと考えています。
レイカーズ氏は、当四半期のカギとなるのは見通しに関するコメントだと断言しています。「アップルはこれらの課題を克服するための体制を整えており、iPhoneの需要はスマートフォン業界全体よりも好調に推移する可能性があると思われる」と同氏は述べ、アップルの先行きについて楽観的です。
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