アップル(AAPL)はこれまで、同社の新興ストリーミングビデオサービスであるApple TV+について、財務的な詳細をほとんど提供していません。加入者数、財務実績、コンテンツ支出に関するデータを一切開示していないため、同サービスがどのように運営されているかを評価するのは難しくなっています。
その空白を埋めるべく、バーンスタインのアナリストToni Sacconaghi氏は6月27日に、Apple TV+がより大きなライバルに対してどのような状況にあるのか、いくつかの情報に基づく推測を発表しました。
Sacconaghi氏は、Apple TV+の有料会員数は2000万人から4000万人で、年間売上高は10億ドルから20億ドルと推定しています。これは、年間4000億ドル近い売上を上げる企業にとっては大きな数字ではありませんが、同氏はこのサービスが戦略的な理由で価値があると考えています。
同氏はアップルが新番組やスポーツ中継の権利などのコンテンツに年間30億ドル以上を費やしていると考えており、その推定売上から考えるとこのサービスで年間10億ドルから20億ドルの損失を出していると推測しています。
月額4.99ドル(年間50ドル)の購読料は、ネットフリックス(NFLX)、Hulu、ディズニー(DIS)などのライバルサービスと比較して安く見えると同氏は指摘する一方で、アップルが現在持つコンテンツは時間にして合計で約673時間(スポーツを除く)であり、ネットフリックス、アマゾン・プライム・ビデオ、パラマウントの各社がそれぞれ3万から5万時間のコンテンツを持っているのとは大きな開きがあると推定しています。
Sacconaghi氏はまた、アップルのほぼすべての番組がオリジナルであり、最新のアカデミー賞で作品賞を受賞した「Coda あいのうた」を含め、一般的に高品質であることを指摘しています。「Apple TV+の焦点は明らかに量より質であり、アップルのブランドと一致している」と同氏は書いています。
Sacconaghi氏は、Apple TV+がアップルの財務実績にとってあまり重要でないことは明らかだとしていますが、それでも同社がこのサービスを提供している理由として、財務的リターンを得ることと、その広範なエコシステムを強化することの二つをあげています。
Apple TV+がアップル以外のデバイスでも視聴できることを考えると、その第一の目的は、「アップルのサービス事業の売上の成長を助けることができる購読/定期的な収入ビジネスを成長させることである」と同氏は述べています。
さらに同氏は、アップルが「最終的にはこの事業を単独で利益を上げられるようにしたい」と考えており、そのために価格設定やコンテンツへの支出を調整する可能性があることを同社との会話から示唆されていると述べています。
また、Sacconaghi氏は、このサービスは、バンドルされたハードウェアやサービスの中において、潜在的な価値のある部分として特に興味深いと考えています。同氏は、Apple TV+がハードウェアとサービスのバンドルプログラムの「強力な一部」になりうると考えています。この考えについてアップルは表立って述べていませんが、メディアやアナリストの憶測の対象になっています。
*過去記事はこちら アップル AAPL
私事になり恐縮ですが、随分前からApple TV+はお気に入りのサービスのひとつです。
おすすめをあげだすと切りがありませんが、現在はまっているのがこれ。
超一級のサスペンスであり、イランの革命防衛隊とイスラエルのモサドの死闘なんて
他ではなかなか見ることができません。