ベアマーケットに打ち勝つことができる超安全な配当株

  • 2022年6月20日
  • 2022年7月13日
  • 配当株

インフレ、金利の高騰、景気後退の可能性に対する懸念の高まりにより、米国株は2022年に弱気相場に突入しました。現在起こっている市場のパニックによって、本来であればこのような不安定な経済環境で成功する態勢が整っている一部の企業の株まで下がっています。

その代表的な例がコストコ・ホールセール(COST)です。この倉庫型クラブのトップ企業には、耐久性のあるビジネスモデルを持ち、長期にわたって売上と利益を伸ばしてきた実績があり、わずか2カ月前に四半期配当を14%引き上げたばかりです。

それにもかかわらず、コストコ株は4月に600ドルを超えるピークを迎えて以来、その価値の4分の1以上を失っています。このため、現在のコストコ株はこの激動の時代に買うべき素晴らしい配当株と言える状態になっています。

コストコ株は4月下旬から圧力を受けていますが、その本業はトラブルの兆しを見せていません。今月初め、コストコは5月の純売上高が16.9%急増し、既存店売上高が15.5%増加したと報告しています。為替変動の影響とガソリン価格上昇の追い風を除けば、既存店売上高は11.8%の堅調な伸びを記録しました。

コストコの売上高の伸びは加速しています。生活必需品ではない商品カテゴリーでは需要が冷え込み始めていますが、食品をはじめとする主食は、消費者の節約志向からまとめ買いが増えており、売上が急増しています。また、インフレに伴う一部商品の値上げも成長に寄与しています。

収益性も堅調に推移しています。前四半期の調整後一株当たり利益(EPS)は3.17ドルに達し、前年同期比12%増となりました。また、会員数を順調に増やし続けていることも心強い点です。

投資家は、インフレがコストコに打撃を与えることをかなり心配しているように見えますが、同社はインフレ環境下でも成功する体制を整えています。

その理由の第一は、コストコの企業規模が、サプライヤーとの間に絶大な交渉力を与えていることです。そのため、あらゆる商品の値上げを遅らせたり、緩和したりすることができます。また、コストコはその価格を顧客に還元することで、会員のロイヤリティを高め、より頻繁に倉庫店を訪れるよう促しています。

第二の理由として、コストコが歴史的に店舗で働く従業員に市場以上の賃金を支払ってきたことがあげられます。その結果、同社の人件費は最近の賃上げによって上昇していますが、ライバル企業は最低賃金の引き上げや労働者獲得競争に対応して賃金を引き上げているため、より大きなコスト圧力に直面しています。このため、コストコのコスト優位性は、他の小売業と比較して、より大きくなっています。

第三の理由は、コストコのガソリンスタンドが、多くの市場において、街で最も安い燃料を提供していることです。ガソリン価格の高騰により、消費者の節約志向はさらに高まっており、コストコの会員数の増加や既存会員の来店増につながる可能性があります。

4月以降25%以上下落したとはいえ、コストコ株は特別安いわけではありません。現在、同社の2022年度予想利益13.04ドルの約34倍の価格で取引されています。

しかし、同社の超安定したビジネスモデルと十分な長期的成長見通しを考慮すると、コストコ株はプレミアム評価に値すると言えます。コストコは過去5年間でEPSを2倍にしました。その理由の中にはパンデミック時の異常な急成長によるものも含まれていますが、倉庫型クラブのリーダーである同社には、これから先の10年間で再びEPSを倍増させることができる力があります。

コストコは高利回り銘柄ではありませんが、最近の増配と株価の下落により、利回りは0.8%に上昇しました。しかし、それでも配当性向は30%以下と非常に保守的です。また、コストコは2~3年に一度、多額の特別配当金を支払う傾向があり、株主への還元を高めています。

どんな銘柄にもリスクはありますが、コストコは世界で最も信頼できる企業の一つであると言われています。その競争力の高さは、現在の経済情勢の中で特にその力を発揮するものと予想され、不安定な株式市場の中で相対的な安全性を求める投資家にとって、コストコは魅力ある投資先となっています。

*過去記事「億り人を狙うならこの株!(詳細版 前編)

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