トゥルイストのアナリスト、ユーセフ・スクワリ氏によると、アマゾン(AMZN)の新しいサービス、「Buy With Prime」(プライムで購入)は物流をサービスとして提供し、コストセンターを利益の源泉に変えるビジネスの基盤となる可能性があるそうです。
アマゾンのeコマース部門は、米国のeコマース市場の約4割を占めています。同社は4月、販売者が他のサイトで購入する際のオプションとして、アマゾン・プライムの配送網を含めることができるサービス「Buy with Prime」を開始し、さらにそのシェアを高めようとしてます。
スクワリ氏は、アマゾンはこの最新の取り組みにより、年間100億ドルもの売上を上げることができると主張しています。
同氏は、アマゾンが他の販売者に人気サービスへのアクセスを提供することが、「大きな戦略的マイルストーン」となると見ています。この新たなサービスは、他のウェブサイトにも「Buy with Prime」ボタンを設置できるようにし、ユーザーのAmazon Primeアカウントから住所やクレジットカード情報を取得し、注文の処理と配送を行うというものです。
短期的には、このサービスは、アマゾンが第1四半期の決算発表の際に明らかなった過剰になっているフルフィルメント能力を吸収するのに役立つとスクワリ氏は述べています。そして、長期的には、この新サービスは「サービスとしての物流」の基礎となる可能性があり、アマゾン・ウエブ・サービス(AWS)の手法を再現して、コストセンターを大きな利益源に変えられると同氏は考えています。
スクワリ氏は、この事業の潜在的な規模を見積もるために、2025年まで米国内の電子商取引におけるアマゾンのシェアが41%で安定的に推移し、同期間に電子商取引全体が10%台半ばで成長すると仮定しています。仮にアマゾンが「Buy With Prime」で新たに6%のシェアを獲得し、その取引から10%を徴収すると、増収額は30億ドルから100億ドルの範囲になると、同氏は計算しています。
同氏は、アマゾンの株価について「買い」の評価と目標株価175ドルを繰り返し、株価が今年これまでに約38%下落したことを受け、ストリートの期待はより達成可能な水準にリセットされたと述べています。
同氏は、アマゾンが依然として厳しい前年との比較、コスト上昇圧力、経済の減速に直面していることを指摘した上で、それがすべて現在の評価額に反映されているとしています。
AWSの評価額は、現在の評価額の80%を占めており、残りの20%という大幅な割引価格で投資家はアマオンの残りの事業を所有することができる水準に株価はなっていると同氏は考えています。
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