アマゾン 6月3日実施の株式分割が株価上昇の起爆剤に

アマゾン(AMZN)の株主は5月25日の年次総会で、1株につき20株の株式分割を承認、待望の株式分割が6月3日に実施されることになりました。

5月27日の時点で株主名簿に記載されているすべての株主は、所有する1株につき19株の株式を追加で取得することになります。

株式分割は6月3日に行われ、6日に分割が株価に反映されることになります。これにより、小口投資家がアマゾンの株を手ごろな価格で購入しやすくなります。

株式分割は、1枚の1万円札を10枚の千円札に替えるように、大きな額の紙幣をより小口の紙幣に両替するようなものであり、保有する株の価値が変わるものではありません。ですから、すでに株式を保有している投資家にとっては株式分割そのもので利益を得ることにはなりません。

期待される効果は、株式分割により、まだ保有していない投資家がアマゾンの株を丸ごと安く買うことができるようになることです。アマゾンの株式分割後、株式分割前に2300ドルで取引されていたとすると、115ドルにまで下がります。

アマゾン株の素晴らしいパフォーマンスの唯一の問題 は、その単価が高いことだということが以前から指摘されていました。ピーク時には3,600ドルを超え、現在でも2,300ドルを超える水準で取引されています。

このような価格では、投資家が少額で同社に投資することは難しくなります。単元未満株式の購入という選択肢もありますが、すべての証券会社で購入できるわけではありません。また、最低でも1株は買いたいという投資家も存在しています。

分割後に115ドルに株価が下がることによって、より幅広い投資家がアマゾンの株を買い求めやすくなります。ただ、買いやすくなったからといって、そのことが株価のパフォーマンスを保証することにはなりません。いくら過去の業績が優れた銘柄であっても、長期的な展望に魅力がなければ投資家の支持は得られないからです。

アマゾンが先に発表した第1四半期決算では、フリーキャッシュフローが最近の12ヶ月間で180億ドル以上の流出に転じ、営業利益は減少しました。そして、同社は38億ドルの純損失を計上しています。

これは、他の小売業者と同じく、インフレ圧力とサプライチェーンの問題という逆風に直面したからです。しかし、アマゾンによれば、増加するコストの3分の2はコントロールできるはずだとのことです。そして、もうひとつの朗報は、同社が現在直面している課題の多くが外部要因によるものであり、一時的なものであるという事実です。

それに加えて、クラウドコンピューティング事業であるアマゾン・ウェブ・サービスは、現在も2桁台の成長を続けており、デジタル広告事業は急成長して世界で3番目のシェアを得るまでになっています。

株価はこの1年間の最高値から40%近く下落していますが、中長期的な展望に立てば、アマゾンの将来性は依然として抜群であり、株価が再び上昇に転じる可能性は十分です。株式分割によって多くの投資家が買いやすくなることは押し目買いを促す絶好の機会となり、株価上昇の起爆剤となることが大いに期待できます。

*過去記事はこちら アマゾン AMZN

最新情報をチェックしよう!
>

幸せな生活作りのための米国株投資。
老後資産形成のための試行錯誤の日々を報告していきます。
皆様の参考になれば幸いです。

CTR IMG