ソーシャルメディア企業のスナップ(SNAP)が、景気後退の可能性を示唆したことで、5月24日、株価は大きく下落しました。
終値では、ダウ平均は0.2%上昇しましたたが、S&P 500 は0.8%、ナスダック総合株価指数は2.4%下落しました。
ダウがナスダックを2.5ポイント上回った結果となりましたが、ダウ・ジョーンズの市場データによると、2008年9月以来、ダウがナスダックを2ポイント以上アウトパフォームした取引日は、25日しかないそうです。
BMO Capital Marketsの米国金利戦略責任者であるイアン・リンゲン氏は、「スナップの減収減益ガイダンスがきっかけとなり、世界の株式は売られた」と書いています。
5月23日遅く、スナップは、景気の悪化を理由に今四半期の売上高と利益の見通しを引き下げました。証券取引委員会に提出した書類の中で、売上高と金利・税金・減価償却前利益が、投資家に伝えていた範囲の下限になりそうだと述べています。これは、「マクロ経済環境が予想を上回る速さでさらに悪化した」ためであると同社は発表しています。
同社は以前、売上高が11億ドル強で、EBITDAは損益分岐点から5,000万ドルの間になると発表していました。その範囲の上限を達成する可能性が低くなったため、RBCのアナリストは2022年のEBITDA予想を6億9200万ドルから3億1000万ドルに引き下げ、2023年の予想も同様の割合で引き下げました。スナップの 株価は43%安の12.79ドルで取引を終えています。
デジタル広告・Eコマース分野について、「この分野の(スナップの)読みは広くネガティブだ」とRBCアナリストのブラッド・エリクソンは書いています。
スナップの発表の影響を受けて、メタ・プラットフォームズ(FB)の株価は7.6%下落。アルファベット(GOOGL)は5%下落し、ピンタレスト(PINS)、エッツィー(ETSY)、イーベイ(EBAY)はそれぞれ23%、7.7%、2.2%下落しました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も3.2%下落しています。
スナップは、4月の決算発表時には「4~6月期の売上高は前年同期比20~25%増」との予想を示していました。4月1~21日までは前年の同期間に比べ30%増収と好調だったそうですが、それからたった1ヶ月でガイダンスの下方修正を余儀なくされました。
スナップの売上高は広告収入がほぼ100%を占めています。モルガン・スタンレーのアナリスト、ブライアン・ノワク氏は「広告出稿の規模は景気に非常に敏感で、消費動向や経済を反映する。スナップの下振れ予想はかなり広い地域や分野での景気減速を示唆するのではないか」と述べています。