トレードデスク 決算発表後の急落から持ち直す

デジタル広告購入プラットフォームのトレードデスク(TTD)は5月11日朝に第1四半期決算を発表しましたが、その直後のプレマーケットで8%も下落しました。しかし、市場が開くとともに株価は回復、11日の終値は0.94%減の43.34ドルとなっています。

第1四半期、トレードデスクは前年同期比43%増の3億1500万ドルの売上を計上し、昨年の今頃の37%増のペースから加速度的に伸びています。調整後の1株当たり利益(EPS)は0.21ドルで、前年同期比50%増となりました。これは、アナリストのコンセンサス予想である売上高3億470万ドル、調整後EPS0.15ドルを十分に上回るものでした。

しかし、投資家の関心はボトムラインにあったようです。GAAPベースで、1株当たりの損失は0.03ドルとなり、前年同期の0.05ドルの利益から赤字に転じてしまいました。その原因は、トレードデスクの一般管理費の大幅な増加にあります。この費用は143%増の1億2580万ドルに達し、同社の純損失の額を増やす要因となりました。

どうやら市場は当初、このボトラムラインの損失に反応したようです。しかし、トレードデスクはこの事態を予見していたことが理解されるようになると株価は上昇に転じました。

2月に行われたアナリストとの第4四半期決算説明会で、ブレイク・グレイソン最高財務責任者(CFO)は、2022年には、株式報酬が通常より増加する見込みであり、CEOの長期業績表彰に関連する約2億6500万ドルの株式報酬費用が計上される予定であることを明らかにしていました。

CEOのジェフ・グリーン氏は昨年、一定のベンチマークを達成し、約6億1,600万ドルの株式報酬を授与されました。この金額は今後4年間にわたり支払われ、2022年にその大部分が支払われる予定です。

第1四半期の決算説明会でグレイソンCFOは、株式報酬を除いた営業費用が2億700万ドルで、前年同期比30%増、その伸びはトレードデスクの売上成長率を下回っていることを確認しています。

上昇に転じた株価が前日の価格を上回るまでにはなりませんでしたが、今回の決算発表で改めてトレードデスクの将来が期待できることが示されました。

昨年、同社はデジタル広告購入プラットフォームの最新版であるSolimarを発表しました。このプラットフォームでは、マーケティング担当者がビジネス目標を使用して結果を導き出し、独自のファーストパーティデータを統合してターゲット広告を改善することができます。

トレードデスクは巨大な機会を追い求めています。7,500億ドルのアドレス可能な市場は、今後数年間で約1兆ドルにまで拡大すると予想されています。プログラマティック広告市場で最も急成長している企業として、同社はこの機会を十分に活かすための好位置につけています。

*過去記事はこちら トレードデスク TTD

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