この6週間で、アップル(AAPL)とアマゾン(AMZN)はそれぞれ10%、30%以上下落しています。
アップルの株価がこれほど連続的に下落したのは、2018年11月23日までの8週間で22.5%の損失を被った時以来です。一方、アマゾンの方は、2019年8月23日まで6週間で13%下落して以来となります。
アップルが2018年に連続下落したのは、iPhone XRへの需要の懸念と2018年のホリデーシーズンについて予想より弱いガイダンスを出したことによるものでした。
ただ、今回の連続下落の幅は他のハイテク株の落ち方と比べると軽微です。経営陣は、中国でのコロナ流行によるロックダウン等によるサプライチェーンの問題により、短期的に需要を満たすことが困難であると警告しましたが、アップルは依然としてアナリストの間で人気があります。
もちろん、警戒すべきとの声も上がっており、ドイツ銀行のアナリスト、Benjamin Black氏は、「アップルが経験していることがより広範囲に及ぶ場合、在庫不足は最終的に消費へのためらいにつながり、需要面で見られる前向きな勢いを妨げる可能性がある」と書いています。ただ懸念を示しつつもドイツ銀行はアップルを「買い」と評価しています。
アマゾンが2019年に下落した理由は、軟調な第2四半期業績と米中間の緊張の高まりに対する懸念によるものでした。今回の下落の理由はそれと比べるとより深刻です。同社の第1四半期のオンライン小売と広告の売上高は予想を下回り、第2四半期のガイダンスも同様に低調だったことにより30%を超える大幅な下落となってしまいました。
大きく下落したのはこの2社だけではありません。ハイテク企業の多いナスダック総合株価指数はこの6週間で15%以上下落し、2020年4月以降で最悪の6週間パフォーマンスとなっています。
Googleの親会社であるアルファベット(GOOGL ) の株価は、過去6週間で18.3%下落し、2020年4月以降で最悪のパフォーマンスとなりました。マイクロソフト(MSFT )は同じ期間に9.5%下落しています。
残念ながら、ハイテクセクターにはさらなる痛みが待ち受けているかもしれないと、メリルとバンク・オブ・アメリカ・プライベート・バンクのCIO市場戦略責任者であるジョー・クインラン氏は述べています。パンデミックによって、これらの企業の売上の伸びは大幅に前倒しされ、一方で金利の上昇によって、投資家はグロース株から離れ、バリュー株の中に避難先を見出すようになったと同氏は分析しています。
同氏は、短期的にはこのセクターに中立的な立場を取っていますが、長期的には「ハイテクに足を踏み入れることを検討し始める時期だ」とも述べています。
ウェドブッシュの著名アナリスト、ダン・アイブス氏もこれに同意しています。現在のような市場環境の中でも同氏は「不動の強気」を貫き、アップルのようなソフトウェア、半導体、サイバーセキュリティ、製品主導のサイクルに賭けている企業を好んでいます。
同氏はまた、アマゾン、マイクロソフト、グーグルは、クラウドサービスへの移行が進むことで利益を得る可能性があるとも述べています。