レイモンド・ジェームズのアナリスト、クリス・カソ氏は4月25日、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)を「アウトパフォーム」から「ストロングバイ」に格上げしたことを発表しました。
「消費者需要の減速や顧客の在庫水準上昇の可能性から、サイクル・リスクへの懸念が高まっているため、我々は、強い経年的要因を持ち、サイクル的要因がより少なく、魅力的なバリュエーションを持つ半導体企業を支持しており、AMDはその好位置にあると考えられる」と、カソ氏はリサーチノートに記しています。
同氏は、AMDがクラウドと企業の両方でデータセンター分野の市場シェアを拡大し続ける可能性があると見ています。同社の新サーバーチップ「Genoa」の発売を控えていることから、AMDはインテル(INTC)や台湾セミコンダクター(TSM)といった競合他社に先行する可能性があると、同氏は付け加えています。
消費者需要が減速の兆しを見せているため、パソコンの売上は依然としてカソ氏の主要な懸念事項となっています。しかしそれでも、AMDが「時間をかけて持続的なデュオポリー」になるための動きとして、パソコン市場でインテルから顧客を奪い取るだろうと楽観視しているとカソ氏は書いています。
顧客シェアが1%増えるだけで、市場全体の5%減を相殺できるため、同社にとっては市場成長よりもシェアが重要なレバーになる、と同氏は分析しています。
カソ氏はAMDの目標株価160ドルを維持しました。今月初め、トゥルリストのアナリスト、ウィリアム・スタイン氏は、コンピューティング、コンシューマー、通信の各分野で半導体チップの需要が減っていることを懸念し、目標株価を144ドルから111ドルに引き下げていました。
AMDは今年に入ってから37%下落していますが、カソ氏は、株価の大幅な下落により、現在の同社のバリュエーションは「これほど強力な長期的成長見通しを持つ企業としては非常に魅力的だ」と書いています。
*過去記事はこちら「AMD」