テスラ(TSLA)が4月20日に発表した第1四半期決算は、驚くほど素晴らしいものでした。イーロン・マスクCEOは、2022年以降のガイダンスまで提示しています。
2022年1~3月期決算は、総売上高188億ドル、1株当たり利益は3.22ドルとなり、過去最高を記録しました。アナリストのコンセンサス予想では、約180億ドルの売上高で、約2.20~2.30ドルの1株当たり利益を見込んでいました。
営業利益は予想の約26億ドルに対し、過去最高の36億ドルとなりました。
テスラが低排出ガス車の公正な生産台数よりも多く生産しているために受け取る規制クレジットの売上が、サプライズに貢献しました。第1四半期のクレジット売上は6億7900万ドルで、予想の約3億1200万ドルの倍以上でした。
しかし、クレジット売上を除いても、営業利益は過去最高で、ウォール街の予想を大幅に上回りました。
アナリストは、第4四半期から第1四半期にかけて、インフレが逆風となるため、減益になると予想していました。それを裏付けるように、EVバッテリーに使用される金属のバスケットの第1四半期の平均価格は、第4四半期に比べて70%以上上昇しています。
テスラの経営陣もニュースリリースでインフレ圧力があることを認めています。しかし、テスラの車1台あたりのコストは第4四半期と比較して低下しており、これは驚きでした。テスラはバッテリーや材料を長期契約で購入しており、それがコスト低減に寄与しています。。そのため、スポット価格が上昇しても、その影響を遅らせることができています。
コストが下がったもう一つの理由は、テスラが第1四半期に出荷した車の約半分に、リン酸鉄(LFP)電池が含まれていたことです。LFPバッテリーは、より高価なコバルトやニッケルなどの金属を含まないリチウムイオン電池で、より優れた性能を発揮します。LFPバッテリーは同じセルにそれほど多くの電力を詰め込むことはできませんが、LFPパックを搭載した標準的な距離のモデル3は、同社によると、依然として267マイルの走行距離が出る充電が可能です。
第1四半期の業績とは別に、テスラはガイダンスを発表しました。「2022年の自動車生産台数は2021年比で50%成長すると確信している」とマスク氏は電話会議で述べ、「昨年比60%増は妥当なところだと思う」と語っています。
3月下旬に操業を一時中止した上海工場は4月20日までに限定的な水準で生産を再開しましたが、その影響を懸念する投資家もいるだけに、マスク氏のコメントは好材料として受け止められそうです。
マスク氏の数字の中間値である55%の台数成長では、テスラは2022年に約145万台の車を納車することになり、これはウォール街の予想に近い数字です。
マスクは氏また、同社がロボタクシー専用の新車に取り組んでいることを明らかにしました。24年に量産を始める計画で、23年に詳細を発表するとのことです。テスラは自動運転のソフトウェアと技術に多額の投資を続けています。
決算発表後、4月20日のアフターマーケットでテスラは5.57%増の1,031.60ドルで取引されています。今回の決算のポジティブな数字とガイダンスを考えると、4月21日は株価が上昇する可能性が高そうです。
*過去記事はこちら テスラ TSLA