半導体製造装置の重要なサプライヤーであるASMLホールディング(ASML)が4月20日、第1四半期の業績を発表しました。
35億ユーロの売上高に対して6億9,500万ユーロ(7億5,200万ドル)の純利益を計上し、1株当たり利益(EPS)は1.73ユーロでした。
ファクトセットが調査したアナリストの予想は、純利益が7億2000万ユーロ、EPSが1.75ユーロでいずれもこれを下回りましたが、売上高は約5000万ユーロ予想を上回りました。
半導体の製造に不可欠な「リソグラフィー」装置を供給するASMLは、世界的なチップ不足の中で顧客が生産能力を拡大したため、予約は好調を維持し、サプライチェーンのパートナーとともに生産能力を「大幅に」拡大することに積極的に取り組んでいると述べています。
同グループの純受注額(新規予約額)は、アナリストが予想した37億ユーロを上回り、約70億ユーロと報告されました。
ASMLの最高経営責任者であるピーター・ウェニンク氏は声明の中で、「当社のシステムに対する需要は、現在の生産能力を上回っていることが引き続き確認されている」と述べています。
また、「需要と当社の生産能力増強計画を考慮し、2025年のシナリオとそれ以降の成長機会を再検討する予定だ」と述べ、今年下半期にその結果を発表する予定だとしています。
ASMLは、第2四半期の売上高を51億~53億ユーロと見込み、ファクトセット調べのコンセンサス予想である58億ユーロを下回りました。粗利益率は49%~50%になると見込んでおり、 通期で20%の増収を目指すというガイダンスは維持しています。
このように売上高の見込みが予想を下回りましたが、4月20日の米国市場のプレマーケットでは前日比5.75%増の652.66ドルで取引されています。
*過去記事「ASML 予想を上回る決算発表で株価急上昇」